廃棄物処理やリサイクルに関するコンサルティングを手掛けるエコスタッフ・ジャパン株式会社は6月1日、AI(人工知能)を用いて廃棄物の最適な収集コースを算出する廃棄物処理業者向けサービスを事業化した。廃棄物収集運搬業界では新型コロナウイルス感染症の影響で顧客数と廃棄物量が減少、廃棄物収集コースの見直しや合理化が急務となっている。同社の新サービス「AI配車シミュレーションサービス」はAIを用いた収集コースの最適化により、配車担当者が時間をかけて行っていた収集車両ごとのコース設定やコースの見直し作業を補助することで、作業負荷や車両台数、トータルコストを削減する。
同サービスで使用するAI配車システムは、エコスタッフ・ジャパンの認定企業である白井グループ株式会社が2014年にイー・トラック株式会社と共同開発したもので、収集コストを定常的に10~15%削減してきた実績がある。排出事業場所の住所、収集する廃棄物の種類、収集する曜日・時間などの基礎情報を入力すると、AIが最適な収集コースと収集車両台数を算定する。これにより、配車係の作業負荷の軽減(勘と経験の排除)、収集車両の効率化・台数削減 (低炭素化)、トータルコストの削減 (利益の創出)といったメリットを提供する。
サービスの提供対象は、産業廃棄物収集運搬企業、一般廃棄物収集運搬企業、資源物回収企業、廃棄物・資源物回収の協業組合、自治体など。利用を希望する企業には、まず検討しているシミュレーション内容を確認後、費用を見積る。1社単独のシミュレーションだけでなく、協業組合など複数の運搬企業が係るケースにも対応可能だ。また、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、廃棄物となった自社製品を効率良く回収し、資源化したいというニーズを持つメーカーや販売事業者も対象としている。
同社は「いつでもどこでも安心安全の廃棄物処理・リサイクルが実現できる社会を目指す」をビジョンに2006年1月に設立。廃棄物処理 ・ リサイクルに関する教育研修やコンサルティング、検定試験の開発・運営、全国優良処理企業ネットワークの運営などを手掛ける。「安心・安全」の全国ネットワークは、認定企業数56社、総拠点数246、取引企業数10万7046社以上(排出事業者数)、総売上高1161億円、総従業員数5820、総車両保有台数2721、総ドライバー数2084の規模を持つ。
【参照記事】海洋プラスチックごみを主原料としたリサイクルナイロンをアパレル・ファッション業界向けに販売開始
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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