ビットコインからハードフォークして誕生したビットコインキャッシュは、誕生してから2度目のハードフォークを迎えようとしている。このハードフォークは2018年11月16日午前1時40分頃に行われるとされている。
1度目のビットコインキャッシュのハードフォークは、過去にビットコインからブロックが分岐して新たな通貨を生んだハードフォークとは異なり、ブロックサイズを8MBから32MBへと拡張するアップデートであった。しかし、2度目となる今回のハードフォークでは、BitcoinABCの提供するビットコインキャッシュとBitcoinSVの提供するビットコインキャッシュの2つに通貨が分岐してどちらかの通貨が消滅する可能性がある。
両者の仕様の決定的な差は、取引データを収納するブロックのサイズを現行の32MBから128MBへと変更するか否かにある。さらに、今回のハードフォークではリプレイプロダクションを実装されないことが明言されている。リプレイプロダクションは、1つのブロックチェーンを2つの通貨に分岐させ、共存させるために必要な技術だ。
今回のハードフォークを受け、国内外の仮想通貨取引所では、ビットコインキャッシュの対応について発表している。日本の仮想通貨取引所では、SBI VCトレードが運営する仮想通貨取引所VCTRADE以外、新通貨が誕生した場合の対応について明示していない。一方、国外のBinanceやbitfinexといった大手仮想通貨取引所では新通貨の付与に対応するとしている。
ハードフォークに係る国内外の仮想通貨取引所の対応一覧
国内取引所の対応 | Liquid | ビットコインキャッシュの入出金一時停止、新コイン配布対応あり |
BITPoint | ビットコインキャッシュの送付・預入サービスを一時停止にする可能性あり | |
GMOコイン | ビットコインキャッシュの預入れ・引出しを一時停止 | |
bitbank | ビットコインキャッシュの預入れ・引出しを停止 | |
FISCO | ビットコインキャッシュの入出金・新規アドレス取得一時停止 | |
DMM Bitcoin | 仮想通貨FXのビットコインキャッシュ、通常運営 | |
BitTrade | ビットコインキャッシュの預入れ・引出を一時停止 | |
bitFlyer | ビットコインキャッシュの預入れ・送付の一時停止 | |
VCTRADE | ビットコインキャッシュの売買を一時停止、新コイン配布対応あり | |
BTCBOX | ビットコインキャッシュの入出金を一時停止 | |
Coincheck | ビットコインキャッシュの入出金・売買を一時停止 | |
国外取引所の対応 | Binance | ビットコインキャッシュの入出金を一時停止、新コイン配布対応あり |
bitfinex | ビットコインキャッシュの入出金を一時停止、新コイン配布対応あり |
BitcoinSVのチーフであるクレイグ・ライト氏とBitcoinABCのチームリーダーであるジハン・ウー氏は、お互いの提供するビットコインキャッシュに異を唱えており、今回のハードフォークの顛末がどこへ向かうかはいまだ不明確なままだ。互いが合意に達するなどの解決がなされなければ、ビットコインキャッシュのネットワークが安定せず、投資家においても、資産が毀損する可能性や送金ができないなど、さまざまな弊害が生まれる可能性がある。当面はビットコインキャッシュの動向に注意が必要だ。
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藤田 正義

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