SBIソーシャルレンディングが2018年度の決算を発表。売上、利益ともに好調

累計募集金額1,000億円を突破するなど、国内第2位の規模を誇るソーシャルレンディング会社、SBIソーシャルレンディング

そのSBIソーシャルレンディングが、6月24日に2018年度の決算内容を発表しました。その決算内容を見ながら、現状のSBIソーシャルレンディングがどのような状況になっているのか、そして、今後どのようになっていくのかを見てみましょう。

目次

  1. SBIソーシャルレンディングの2018年度の決算の内容
    1-1.2018年度は売上、利益ともに増加
    1-2.貸付金などの金額は?
  2. SBIソーシャルレンディングの2017年決算との比較
  3. SBIソーシャルレンディングに課題はあるか?
    3-1.広告費が多い?
    3-2.情報開示は進行中
  4. まとめ

1.SBIソーシャルレンディングの2018年度の決算の内容

SBIソーシャルレンディングの決算の内容は、こちらのリンクから確認できます。

1-1.2018年度は売上、利益ともに増加

上記の2018年度決算と、2017年度の決算とを比較しました。

(単位:円)

貸借対照表 2018年度 2017年度 比較
現金及び預金 36億2710万2,000円 18億2297万4000円 199.0%
営業貸付金 331億2929万8000円 210億6053万7000円 157.3%
匿名組合預り金 365億9948万8000円 225億3095万1000円 162.4%
純資産 4億9008万3000円 2億8972万1000円 169.2%
資本剰余金 7億9051万1000円 7億9051万1000円 100.0%
利益剰余金 -3億1042万7000円 -5億1078万9000円 60.8%
損益計算書 2018年度 2017年度 比較
売上高 24億9378万9000円 13億9538万7000円 178.7%
営業利益 19億8471万6000円 10億3610万3000円 191.6%
経常利益 17億5669万7000円 10億3958万6000円 169.0%
匿名組合損益分配額 15億2143万2000円 8億6128万7000円 176.6%
当期純利益 2億36万2000円 1億4287万7000円 140.2%

売上高は、2017年度の13億9538万円から2018年度は24億9378万と180%近い伸びを見せています。また、それに伴い当期純利益は、1億4287万円から2億36万円と、こちらも1.5倍近い伸びとなっています。

投資家から集めた匿名組合預り金は、2017年度の約225億円から約366億円と160%以上の伸び。実際の貸付金を指す営業貸付金も、約210億円から約331億円と同様の伸びを見せています。その結果、純資産の額は2億8972万円から4億9008万円に増えています。

また、投資家に分配した匿名組合損益分配額は、8億6128万円から15億2,143万円と176%の伸びを示し、増加率は売上高にほぼ匹敵します。

1-2.貸付金などの金額は?

SBIソーシャルレンディングの累計貸付金の金額は、2016年度から2018年度の3月期を比較すると、以下のようになっていました。

  • 2017年3月:245億円
  • 2018年3月:530億円(+285億円)
  • 2019年3月:920億円(+390億円)

営業貸付金は、融資のタイミングによって金額に差が生じます。上記の比較表で見る限りでは、前年比で157%となっています。

2.SBIソーシャルレンディングの2017年度の決算との比較

先ほどの表から、2017年度と2018年度の決算を比較します。最も大きく伸びたのは、現金及び預金の金額です。およそ2倍近くまで増えた結果、SBIソーシャルレンディングの資本面での体力が増強されたことが分かります。

そして、当期純利益では、およそ2億円が残りました。SBIソーシャルレンディングの累計利益剰余金は、2017年度では5億1,000万円の赤字だったのですが、2018年度は3億1,000万円に減らすことに成功しています。

ただし、見方によっては、2018年度に390億円もの資金を集めたにもかかわらず、それでも当期純利益は2億円程度にとどまっていると言えなくもありません。それでも2億円の当期純利益を毎年計上すれば、2020年度の累計利益剰余金は黒字への転換が見込めます。

SBIソーシャルレンディングは今期で13回目の決算を迎えましたが、第14期となる2020年度の決算では累計の赤字を解消し、ようやく黒字への転換ができるかもしれません。10期以上赤字がありながらも会社を存続できたのは、大手金融グループのSBIグループが背景にあったから、とも考えられそうです。

3.SBIソーシャルレンディングに課題はあるか?

SBIソーシャルレンディングの決算から、今後の課題は何かを考えてみましょう。

3-1.広告費が多い?

売上高は前年比約180%、営業利益は約190%と、非常に大きな伸びを見せています。数字自体には頼もしさすら感じられるものです。SBIソーシャルレンディングの事業が好調であることは、数字が証明しています。

一方で、最終的な当期純利益は140%にとどまっています。SBIソーシャルレンディングはテレビCMをBSで放送し、動画広告を配信するなどの広告活動を積極的に展開しています。経費がどの程度かかっているのか、決算では明らかにしていませんが、活動面から販促費の増加のほどが伺えます。

2019年度の業績次第では、利益剰余金のマイナス分を解消する可能性がないわけではありません。売上の伸びに比べて利益がそれほど上がっていないなど、利益を上げるうえで構造的な改善が課題と言えそうです。

3-2.情報開示は進行中

情報の開示に関しては、SBIソーシャルレンディングでも一部の案件で融資先事業者の公開を行っています。ただし、会員にかぎって詳細な情報を提供しているクラウドバンクと比較しても、まだ十分ではありません。また、全ての案件で情報を公開しているわけではなく、より広い範囲で開示が望まれるところです。

まとめ

SBIソーシャルレンディングの2018年度の決算は好調と言えるものでした。

注目される今期ですが、2019年3月と6月の累計募集金額を見るかぎり、3ヶ月で85億円以上の資金を集めています。執筆時点(2019年7月初旬)ではペースはやや鈍化していますが、2019年度でも300~400億円前後の募集実績を確保できそうなペースです。

2018年度から2019年度にかけての大幅な伸びは今のところありませんが、堅実に募集を伸ばして黒字への転換を図ることができれば、より運営体制が盤石なものになるでしょう。純資産も170%増と、非常に順調です。ソーシャルレンディング業界の牽引役として、今後も意欲的な営業が望まれるところです。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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