【元トレーダーが解説】ポートフォリオとしての暗号資産の利用法

証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. 暗号資産で抑えておくべき特徴
  2. 暗号資産をポートフォリオとして利用するには
    1. 相関性の低い資産と組み合わせる
    2. ポートフォリオを安定させる
  3. ポートフォリオを考えるときに注意すべきこと
  4. 暗号資産はどこで購入できるのか

暗号資産はこれまで、株や金などの伝統的な投資対象とは一線を画すような印象が強かったのではないでしょうか。しかし最近では、ビットコインと米株との相関関係が強まっており、米ドルインデックスとの逆相関も観られるなど、伝統的なアセットクラスとの関係性が目立つようになりました。

そのため、これまでFXや株、投資信託等を利用してきた投資家が、暗号資産に視野を広げるようになっています。海外のある機関投資家は、ポートフォリオの4%にビットコインを組入れることを推奨しているとも報告されています。暗号資産はこれからの資産運用で欠かせないものになりつつあります。

ここでは個人投資家にとって、暗号資産を資産運用のポートフォリオに組み入れる際の配分方法や考え方について、トレーダー目線から解説したいと思います。

①暗号資産で抑えておくべき特徴

これまで日本株やFX等の伝統的なアセットクラスで投資をされていた方が、ビットコインを投資対象としてみるとき、最も注目すべき点は「ボラティリティ」です。

まずは以下のチャートをご覧ください。

portfolio
チャートは2020年少し前を0として、どの程度値動きがあったかをパーセンテージで示しています。オレンジ:ドル円、青色:日経平均株価、赤色:ビットコインとなります。右軸1つ目がビットコインの騰落率で、右軸2つ目がドル円と日経平均株価の騰落率です。

ビットコインは3月に30%強の下落を見せると、その後急反発して70%程度まで上昇しています。一方、日経平均株価は3月に30%程度下落し、反発するも、戻り幅は年初と同水準までに留めています。ビットコインの値幅と比較すると小さいと言えるでしょう。ドル円に関しては上下5%以内で推移しており、値動きの幅が一段と異なります。

このように暗号資産は上下共に大きく値動きがあるものということはしっかり認識して下さい。この値動きのリスクをしっかりと理解してトレードすることが、資産運用の手段として暗号資産を利用する上で重要です。

②暗号資産をポートフォリオとして利用するには

それでは暗号資産をポートフォリオに組み込むのポイントを2つご紹介します。

1. 相関性の低い資産と組み合わせる

1つめは「ポートフォリオに暗号資産と相関関係の高い商品があるか把握しておくこと」です。先ほどのチャートをご覧いただくと、日経平均株価とビットコインは同じ方向で動いており、ともに下落幅が大きいことが読み取れます。

そのため、投資信託や日経平均に連動しやすい個別銘柄等を保有している場合、ビットコインを加えると、下落時に資産全体が下落しやすくなります。

しかし、先進国の債券で運用している投資信託を保有している場合、株価の下落に耐える傾向があります。株価下落時にリスク回避の動きから債券が買われるため、金利が低下し債券の投資信託の基準価格は上昇することになります。ここでビットコインを保有するならば、全体としての資産価値の変動は緩やかになると言えるでしょう。

また、ゴールドはリスク回避資産の一つとして有名なアセットクラスですが、リスク回避資産とは全く別のアセットクラスの動きを見せつつあります。コロナショック以降の金融緩和の影響により、株が上昇したとしてもゴールドは売られにくくなっています。

そのため、ゴールドと暗号資産は相関関係のないアセットクラスとなっているため、どちらも良い投資対象になると言えるでしょう。

2. ポートフォリオを安定させる

暗号資産をポートフォリオとして利用する際の2つ目のポイントは「現在のポートフォリオの変動幅を理解して暗号資産の割合を決めること」です。

例えば極端なケースで、全資産を日本株100%で保有しているとします。この場合、株の変動幅がポートフォリオ全体の資産の変動幅となります。この場合、ビットコインをロングしてしまうと、資産全体の値動きの幅をさらに増加させることになります。

投資では「一つの籠に卵を盛るな」という格言があります。これは一つの商品に資産を集中させると一つダメになると全部ダメになってしまうという意味です。先ほどのケースで言えば、日本株やそれに似た動きをするビットコインに資産を傾けすぎると、下落時にポートフォリオが総崩れを起こすことになります。

そのため、ポートフォリオを安定させるようにしましょう。例えば、全体の4割程度を日本株から外し、全体の30%を債券の投資信託、そして10%を暗号資産の「ショートポジション」で保有するとします。これにより、日本株が下落した場合でも債券の値上がり益と、暗号資産のショートポジションから発生する評価益でカバーでき、全体の資産の変動を抑えることができます。

暗号資産は値動きが極端に大きなアセットクラスなので、ポートフォリオに組み込む割合は大きく低下させた方がいいでしょう。10%でも大きいくらいです。

それでは次に、ポートフォリオ全体を考えるときに注意すべきポイントを解説します。

③ポートフォリオを考えるときに注意すべきこと

ポートフォリオを考えるときに注意すべきポイントは「今後伸びると予想するアセットクラスに比重を置く一方で、リスクヘッジのために相関関係の薄いアセットクラスを組み合わせること」です。

ポートフォリオを構築する目的は「安定して資産運用を行い、増やすこと」です。そのため自分が今後伸びていくと考えている投資対象に資産の比重を割きつつ、逆相関の資産を組み入れたり、相関係数の低い資産を組み入れたりすることで安定した資産運用ができるのです。

その点で、暗号資産は現在、無視できない投資対象になっているということです。

④暗号資産はどこで購入できるのか

Coincheck
ビットコインは暗号資産取引所の口座を開設して購入することになります。日本でも初心者を中心に広く利用されているのがコインチェックです。アプリや取引画面のシンプルさ、ユーザビリティの高さに定評があります。初心者の方は、コインチェックでビットコイン投資をスタートすることをおすすめします。アプリはコインチェックのユーザーでなくても利用できます。ダウンロード数は日本一(295万件以上)のため、是非一度チェックしてみてください。
bitFlyer
また、GMOコインという暗号資産取引所も初心者から中上級者まで利用しやすい取引所と言えます。GMOコインは、レバレッジ取引や暗号資産FXが可能です。レバレッジ取引とはFX(外国為替証拠金取引)のように、保有している資産の数倍のポジションを取ることができる取引サービスです。下落時にショートで入ることもでき、資産を効率的に利用することが可能となっています。レバレッジ取引(証拠金取引)はリスクが大きくなるため、利用方法やリスクについてもしっかり理解してから取引を行うようにしましょう。GMOコインはビギナーユーザーを獲得したい方針なので、アプリやインターフェイスもとてもシンプルで使いやすい設計となっています。

筆者自身もGMOコインを利用していますが、とても見た目が綺麗です。PC画面の取引所(レバレッジ取引)では「Tradingview」と呼ばれる世界的なツールを採用しており、豊富なツールを利用できます。そのため初心者から中上級者まで利用していただきやすいと言えるでしょう。

口座開設はどの暗号資産取引所も無料で行うことが可能なため、是非まずは使ってみることをおすすめします。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12