22年7月13日、日本の暗号資産(仮想通貨)取引所「DMM Bitcoin」は、「ジパングコイン(ZPG)」の取り扱いをスタートしました。ジパングコイン(ZPG)は金の価格と連動するというユニークな性質を持った新しい仮想通貨です。今回はDMM Bitcoinに初上場するジパングコイン(ZPG)について、その概要や特徴、今後の展開を解説していきます。
①DMM Bitcoinとは
1-1.DMM Bitcoinの概要
DMM Bitcoinとは16年11月に設立された国内の仮想通貨取引所で、金融やエンタメ、ゲームといったさまざまな分野における事業展開を行う株式会社DMM.comのグループ会社である株式会社DMM Bitcoinによって運営されています。
DMM Bitcoinは、金融庁で「暗号資産交換業者」および「第一種金融商品取引業者」としての登録も済んでいるため、ユーザーは安心して利用することが可能です。
1-2.DMM Bitcoinの特徴
①取り扱い銘柄が豊富
DMM Bitcoinは国内でも豊富な銘柄取り扱いが特徴となっており、22年7月現在でレバレッジ取引の取り扱い銘柄数は国内最多となっています。
販売所の取扱銘柄 | 23種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、オーエムジー、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、エンジンコイン、トロン、メイカー、ポリゴン、アバランチ、ジパングコイン、チリーズ、フレア、ニッポンアイドルトークン、アクシーインフィニティ、ザ・サンドボックス、Algorand |
レバレッジ取引の取扱銘柄 | 31種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、オーエムジー、イーサリアムクラシック、エンジンコイン、シンボル、テゾス、ポルカドット、IOST、トロン、エイダ、ジパングコイン、アバランチ、チリーズ、チェーンリンク、メイカー、ポリゴン、ソラナ、コスモス、ドージ、アクシーインフィニティ、ザ・サンドボックス、Algorand |
②取引ツールが充実している
DMM Bitcoinは2つの取引モードから選択できるスマホアプリのほか、レイアウトをカスタマイズでき、チャートや取引画面、ポジション管理など、各種項目を配置できるPC版取引システムを提供しています。ユーザーは自分のスタイルに合わせて効率よく取引を行うことが可能です。
③独自機能「BitMatch注文」
一般的に、販売所方式は買値と売値の価格差(スプレッド)が懸念されがちです。しかし、DMM Bitcoinはスプレッドを解消するために、独自機能として「BitMatch注文」を現物取引とレバレッジ取引の両方に導入しています。
BitMatch注文は、発注から30秒以内に顧客の注文がマッチングした場合に限り、販売所で提示される買値と売値のミッド(仲値)価格で取引が成立する注文方法です。ただし、30秒以内に他の注文と対当しなかった場合は、成行にて時価で約定します。BitMatch注文により、同時間帯でのトレーダー同士の注文が仲値でマッチングすることで販売所方式とオークション方式のハイブリッド注文のような形で取引を行うことができます。
④徹底したセキュリティ
DMM BitcoinではDMMグループで培ってきた技術力を生かし、徹底したセキュリティシステムを提供しています。
具体的には、ユーザー資産の95%以上をコールドウォレットで管理しているほか、2段階認証や端末認証を採用することで不正ログインを防いでいるなど、さまざまな対策がなされています。
⑤DMM.comのグループ会社が運営
DMM Bitcoinは、株式会社DMM.comのグループ会社、株式会社DMM Bitcoinが運営する暗号資産取引所です。DMMグループはFX口座数国内No.1(2020年1月時点に75万口座)のDMM.com証券を有しており、その専門的なノウハウはDMM Bitcoinにも活かされています。
DMM Bitcoinでは、お問い合わせフォームおよびLINEにおいて365日体制のサポートを提供しているため、何かあればいつでも問い合わせることが可能です。
②ジパングコイン(ZPG)とは
2-1.ジパングコイン(ZPG)の概要

ジパングコイン(ZPG)とは、三井物産の子会社で仮想通貨関連の事業を展開している「三井物産デジタルコモディティーズ」が発行する仮想通貨です。
1ZPGは金1グラムの価格に連動することを目指しているので、インフレヘッジとして保有する利点があります。さらに、デジタル資産なので持ち運びができ、小口取引が可能といった、金にはない利便性を備えています。
社会がデジタル化への道を着々と進んでいる現在、ジパングコインは必要不可欠なデジタルインフラの「コア」となることを目指しています。
2-2.ジパングコイン(ZPG)の特徴
①金の価格に連動している
ジパングコインの最大の特徴は、金の価格への連動を目指している点です。一般的に、仮想通貨のほとんどはビットコイン(BTC)の値動きに大きな影響を受ける傾向がありますが、一方でジパングコインは金の価格に連動するため、分散投資の手段としても最適となっています。
また、金価格は年々上昇しており、金を投資対象として購入する投資家も増えています。そんな中、ジパングコインは仮想通貨取引所を介して簡単に購入でき、運用管理費用(信託報酬)もかからないので、比較的気軽に金への投資を行うことができます。
②小口化ができる
元々金の現物は金属であるため、実際に持ち運んだりするには重量が重く、細かい単位での取引が困難で利便性に欠ける部分がありました。
一方で、ジパングコインは「デジタル資産」のため、送金や保管などの取り扱いがかなり簡単なうえ、少額からの取引も可能となっており、コストも抑えられるというメリットがあります。
また、三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が万が一破綻してしまった場合でも、一定額の補償金がホルダー*に支払われるシステムとなっているため、ユーザーは安心してジパングコインの取引に参加することができます。(1次販売は全て暗号資産交換業者デジタルアセットマーケッツに委託されています)。
③プライベート型ブロックチェーン「miyabi」を採用
ジパングコインはプライベート型のブロックチェーンである「miyabi」を使用しています。miyabiとは株式会社bitFlyer Blockchainによって開発されたエンタープライズ向けのブロックチェーンです。
三井物産デジタルコモディティーズの加藤次男氏はmiyabiを選択した理由について以下のように語っています。
「仮想通貨発行の基盤システムであるブロックチェーンには、高い処理性能やソフトウェア品質、様々なセキュリティ対策を求めています。その中でもmiyabiは、ジパングコインおよび将来的に開発を予定している他のコモディティに連動した仮想通貨の発行と運用に最も適したプロダクトであると判断しました」。
③ジパングコイン(ZPG)の今後の展開
3-1.DMM Bitcoinへの上場
ジパングコインは22年7月13日にDMM Bitcoinで上場を果たしました。
取り扱いの対象サービスは、現物取引およびレバレッジ取引となっており、現物取引での最小発注数量は0.1ZPG、最大発注数量は100ZPG、レバレッジ取引での最小発注数量は1ZPG、最大発注数量は500ZPGと定められています。
なお、ジパングコインは今後も取り扱い取引所を拡大していくとしています。
3-2.金との交換
現時点でジパングコインは金の現物と交換することはできませんが、将来的には交換が可能となることが予定されています。交換が可能になった場合、ジパングコインのユースケースがさらに拡大することが期待されています。
3-3.デジタルインフラ化
ジパングコインは資産運用やインフレヘッジ手段のほかに、送金手段や決済手段としての利用が予定されています。
そのため、将来的にはジパングコインでの物品の購入や送金が可能となる見通しです。
④まとめ
ジパングコインは価格が金と連動しているという珍しい特徴を持った仮想通貨で、資産運用の手段としてだけでなく、実際の生活における決済手段や送金手段としての利用も期待されています。
今回DMM Bitcoinに上場されることで、より多くのユーザーがジパングコインの取引に参加するとみられているため、その需要はさらに高まることが予想されます。
ジパングコインは今後さらにユースケースを拡大していくと見られるため、今のうちにDMM Bitcoinで口座を開設し、ジパングコインの取引を行う準備をしておくことをおすすめします。
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中島 翔

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