海外大手取引所が日本へマスクを支援。ビットコインの採掘難易度がマイナス調整に − 1週間の重要ニュース(5/18~5/24)

今回は、5月18日〜5月24日の暗号資産・ブロックチェーン業界について、田上智裕氏(@tomohiro_tagami)が解説したコラムを公開します。

目次

  1. ブロックチェーンを国家戦略に
  2. ビットコインの採掘難易度はマイナスで調整
  3. 2009年来のビットコインが送金される
  4. 海外大手取引所が日本へマスクを支援
  5. 金融包括CeloがLibraに先んじて正式公開

先週(5月18日〜5月24日)の暗号資産・ブロックチェーン業界は、2009年に発行されたビットコインが11年ぶりに送金されたことで賑わいました。また、ブロックチェーンの特徴を活かして寄付の透明性向上に取り組む「Binance Charity Foundation」による、日本へのマスク支援も報じられています。本記事では、1週間の重要ニュースを解説と共におさらいしていきます。

ブロックチェーンを国家戦略に

米国共和党の下院議員Brett Guthrie氏は19日、ブロックチェーンの普及に関する調査要請の法案を連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)に提出しました。この法案では、ブロックチェーンだけでなくネット上での悪質な行為を検知するAIにも焦点を当てています。

Guthrie氏は、昨今の中国におけるブロックチェーン国家プロジェクトに言及し、「中国に負けてはならない」と述べたといいます。法案では、中国同様に国家戦略としてブロックチェーンを認識し、企業での利用促進や活用時のメリット・デメリットの洗い出しなどが求められています。

あらゆるサービスの基盤システムになり得るブロックチェーンは、新型コロナウイルス後に再開される米中経済戦争にも大きな影響を与えることになりそうです。

【参照記事】「ブロックチェーンを国家戦略へ」 米議員が法案提出
【参照記事】Congressman pushes blockchain bill that seeks to provide more regulatory clarity

ビットコインの採掘難易度はマイナスで調整

5月12日に3回目の半減期を迎えたビットコインは、20日に半減期後初のディフィカルティ調整を実施しました。新たな値は15,138,043,247,082となり、これは前回比マイナス6%にあたります。

ディフィカルティの調整は2016ブロックごと(約2週間)に行われ、1ブロックの生成時間が平均10分になるように、当該期間におけるハッシュレート(採掘速度)の値を参考に決まります。

今回のマイナス6%は、前回期間におけるハッシュレートの下落を意味します。具体的には、次の通りです。

  1. 半減期によりマイナーの報酬が半減
  2. マイニングの損益分岐点が上昇
  3. 赤字マイナーの休業および撤退
  4. ハッシュレートが低下

ハッシュレートの低下はマイナー数の減少を表すため、ディフィカルティを調整する(下げる)ことでマイニングの活性化を促す必要があります。

12日の半減期までには、3回連続でプラスのディフィカルティ調整が行われていました。従って、今回のマイナス調整は半減期の影響を強く受けた結果だといえるでしょう。

ビットコインはこれまでに、313回のディフィカルティ調整を行なってきました。そのうち、マイナスの調整は今回を含め49回のみとなっています。

【参照記事】ビットコインマイニングの難易度が6%低下──雨季を待つ中国のマイナー
【参照記事】Bitcoin’s latest difficulty adjustment could have been worse

2009年来のビットコインが送金される

2009年初頭にビットコインネットワークが稼働を開始して以降、わずか1ヶ月後にマイニングされた50BTCが20日、11年ぶりに送金されたことがわかりました。この50BTCは、ビットコインの生みの親であるサトシナカモトに近い人物が保有していたと考えられるため、世界中で話題を集めています。

送金された50BTCは、2009年2月9日にマイニングの新規報酬として発行されたものです。今回2つのアドレスへ送金された後、再び複数のアドレスへ分配されています。

なお、業界では送金者はサトシではないとの見方が強まっています。サトシの保有するBTCおよびウォレットアドレスは、マイニングの際に格納されるノンス(nonce)のパターンから高い確率で明らかになっており、今回のものと異なるといいます。

今回話題となった理由としては、初期のBTC保有者による投げ売りが懸念されてのことです。実際、この50BTCが送金された直後、価格の下落が発生しました。

【参照記事】2009年採掘のビットコイン(BTC)が突如送金!送り主は最初期マイナーか関係者説
【参照記事】50 bitcoins mined in February 2009 just moved

海外大手取引所が日本へマスクを支援

海外大手取引所Binanceが中心となって設立されたBinance Charity Foundation(BCF)が19日、日本のマスク不足を解消するための支援を行なったと発表しました。今回の支援先は、介護・福祉の現場である高齢者施設が対象となっています。

BCFは、3つの項目をミッションに掲げ設立されました。

  1. ブロックチェーンを使うことで寄付の透明性を向上させる
  2. 暗号資産のユースケースを拡大させる
  3. グローバルにサステナブルな開発を加速させる

なお、BCFは2018年に西日本で発生した「平成30年7月豪雨」の際にも、被災地への募金活動を行い数千万円規模の寄付金を集めています。

【参照記事】Binance Charity Foundation Twitter

金融包括CeloがLibraに先んじて正式公開

金融包括プロジェクトCeloは19日、メインネットへのローンチを発表しました。これにより、金(ゴールド)に裏付けされたステーブルコイン「Celo Gold」がブロックチェーン上で流通することになります。

シリコンバレー発のCeloは、2019年4月にa16zやPolychain Capitalから総額3000万ドルを調達し話題を集めました。昨今話題のLibraと同様、既存の金融システムを享受できていない世界中の人々に、新たな金融システムを届けることを目指しています。

3月に発表された「Alliance for Prosperity(A4P)」と呼ばれる同盟には、Coinbase VenturesやBlockchain.comをはじめとする計75の企業・団体が加盟しています。

5月に入ってから、先述したCelo Goldをオークション形式で発行し、計1000万ドル分を販売しました。今後は、米ドルに裏付けされた「Celo Dollars」の発行も予定しています。

また、専用のウォレットも開発が進んでおり、正式公開後には電話番号での送金が可能になるといいます。これは、モバイルファーストを軸に置いたCeloの戦略を如実に表しており、従来のアドレス送金の使いにくさを解消することが期待できるでしょう。

【参照記事】決済スタートアップCeloのメインネットがローンチされる
【参照記事】Libraのライバル「Celo(セロ)」独自ブロックチェーンのメインネット公開

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