【重要ニュースまとめ(5/6~5/12)】Galaxy DigitalがBitGoを買収、Uniswapがバージョン3をローンチして流動性プロバイダーへの機能を拡充

今回は、5月6日〜5月12日の暗号資産・ブロックチェーン業界の重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 【難易度:☆】暗号資産初心者向け主要ニュース
    1-1. Galaxy DigitalがBitGoを12億ドルで買収、暗号資産と既存金融を統合へ
    1-2. ビットコインの表記を「Satoshi」に変更
    1-3. 米上場企業がイーサリアムに投資
  2. 【難易度:☆☆】暗号資産・ブロックチェーンの業界動向
    2-1. Multicoin Capitalが新ファンドを設立
    2-2. イーサリアムのアクティブアドレス数が過去最高を更新
  3. 【難易度:☆☆☆】ブロックチェーン業界の最新トレンド
    3-1. Uniswapがバージョン3をローンチ
    3-2. Alipayが中国のCBDCに対応
  4. まとめ、著者の考察

今週(5月6日〜5月12日)の暗号資産・ブロックチェーン業界は、BitGoの買収やUniswapバージョン3のローンチ、イーサリアムのアクティブアドレス数が過去最高を更新などが話題になりました。本記事では、1週間の重要ニュースを解説と共におさらいしていきます。

【難易度:☆】暗号資産初心者向け主要ニュース

Galaxy DigitalがBitGoを買収

暗号資産カストディ最大手のBitGoが、金融事業を手がける米Galaxy Digitalに12億ドルで買収されたことを発表しました。暗号資産関連事業としては過去最大規模の買収案件となり注目を集めています。

BitGoは、2013年に設立された暗号資産カストディ企業であり、150以上の取引所をメインの顧客に400億ドル以上の資産を管理しているといいます。対応しているトークンは400種類以上とされ、BitGoの抱えるエンジニアチームのレベルの高さが話題となっていました。

昨年末には、暗号資産市場に本格参入していたPayPalからも買収提案を受けていましたが、提示額が7.5億ドルだったこともあり金額に見合わないとして拒否しています。

今回の12億ドルでの買収により、Galaxy Digitalはより一層暗号資産事業に注力する体制が整いました。Galaxy Digitalの既存顧客に対してBitGoのサービスを提供する一方で、BitGoの顧客にもGalaxy Digitalのサービスを提供することができます。

【関連記事】Galaxy DigitalがBitGoを12億ドルで買収、暗号資産と既存金融を統合へ

ビットコインの表記を「Satoshi」に変更

ビットコインの表記をBTCからSatoshiに変更する動きが徐々に出てきています。この取り組みを提案しているのは、BitGoの買収を発表したGalaxy DigitalでCEOを務めるMike Novogratz氏です。

ビットコインの価格高騰に伴い、最小単位が1BTCだと認識している人にとってビットコインは手が出しにくいものとして定着してしまっています。ビットコインの最小単位は1Satoshiであり、これは1BTCの1億分の1に相当します。

Mike Novogratz氏は、CoinbaseやBinance、FTXといった主要取引所のCEOに向けてビットコインの単位表記を変更しようという提案を行いました。

仮に取引所がビットコインの単位表記をSatoshiに変更した場合、1BTC=600万円換算で1Satoshi=0.06円となります。0.06円で購入できる暗号資産という認識が定着すれば、より一層ビットコインへの資金流入が期待できそうです。

【参照記事】‘Time to Switch to Satoshis’: Mike Novogratz

米上場企業がイーサリアムに投資

米国の上場企業としては初めて、ナスダックに上場しているMogoがイーサリアムへの投資を発表しました。金額としては少額の146ETH(平均購入価格2,780ドル)となりますが、上場企業によるビットコイン以外の投資事例としては1つ大きな取り組みとなっています。

Mogoはビットコインの売買プラットフォームMogoCryptoなどを運営しており、将来的にはポートフォリオの5%までを暗号資産に投資していく方針です。

昨今のイーサリアムは、イーサリアム2.0やEIP-1559などのファンダメンタルズの影響を受け価格が高騰しています。カナダではETFに承認されるなどの好材料も出てきており、今回の発表もその1つとなりました。

なお米国の上場企業以外では、3月に香港上場のMeituが世界で初めてイーサリアムを購入したことを明らかにしています。

【関連記事】米上場企業初、Mogoがイーサリアムを購入

【難易度:☆☆】暗号資産・ブロックチェーンの業界動向

Multicoin Capitalが新ファンドを設立

暗号資産・ブロックチェーン領域に特化したベンチャーキャピタル大手のMulticoin Capitalが、1億ドル規模のファンドを新たに組成したことを発表しました。

投資領域は、主にWeb3、DeFi、メタバースになるといいます。また、中国を拠点にアジア全体の投資を拡大していく方針も明らかにしました。

Multicoin Capitalの特徴は、一般的な株式への出資だけでなく投資先が発行するトークンに対しても積極的に出資している点があげられます。トークン出資は日本ではほとんど事例はありませんが、米国ではSAFT(Simple Agreement for Future Tokens)という規定が整備されています。

将来的に自律分散型組織(DAO)への転換を前提とするブロックチェーンプロジェクトであれば、はじめから株式ではなくトークンへ出資するのが自然な流れです。

先週はa16zが新ファンドの組成を発表しましたが、こういった著名ファンドの戦略を学ぶことでどういった未来が訪れるのかを把握することができると思います。

【関連記事】Multicoin Capitalが1億ドルの新ファンドを設立、Web3やDeFi、メタバースへ投資

イーサリアムのアクティブアドレス数が過去最高を更新

イーサリアム価格の高騰に伴い、イーサリアムネットワークに接続する1日あたりのアクティブアドレス数が過去最高を更新しました。ブロックチェーンのデータ分析サイトGlassnodeによると、2018年1月16日に記録した714万アドレスを上回る794万アドレスがアクティブだといいます。

暗号資産市場の成長を評価する場合、単純な価格の高騰だけでなくどれだけのユーザーがアクティブな状態にあるかといった指標が重要です。アクティブアドレスを指標にすることで、特定のユーザーだけが利用しているのではなく、より多くのユーザーが参入してきているかどうかを知ることができるのです。

イーサリアムのアクティブアドレス数が増加するにつれてトランザクション数も増加しています。イーサリアムにはスケーラビリティ問題が存在するため、トランザクション数の増加はガス代の高騰に繋がってしまうのもまた事実です。

スケーラビリティ問題への対応は、イーサリアム2.0におけるシャーディングの実装により解決が期待されています。

【参照記事】Ether’s Active Addresses Pass 2018 Peak as Cryptocurrency Soars to New Price Highs

【難易度:☆☆☆】ブロックチェーン業界の最新トレンド

Uniswapがバージョン3をローンチ

DEX最大手のUniswapが待望のバージョン3をローンチしました。流動性プロバイダーの資本効率を改善する機能と変動制手数料の導入が目玉となる大型アップデートになっています。

Uniswapのようなブロックチェーンで動くサービスの場合、機能をアップデートするには新しいスマートコントラクトを定義しなければなりません。スマートコントラクトを新しくするということは、サービスそのものが別のものとして動くことになります。

Uniswapでは、今回を含め過去に2度のアップデートを行なってきました。そのため、バージョン1とバージョン2が存在し、現在も稼働し続けている状態です。ユーザーは徐々に新バージョンに移行していくことになりますが、以前のバージョンを使用することもできるようになっています。

今回のアップデートには含まれていませんが、今後の最優先事項としてイーサリアムのL2ソリューションOptimismへの対応を明らかにしています。高騰するガス代へ対応するための取り組みであり、Optimismにとっても大規模サービスへの導入は初めてとなります。

【関連記事】Uniswapがv3をローンチ、手数料変更やガス代への対応、NFTの活用も

Alipayが中国のCBDCに対応

アリババグループ傘下の決済大手Alipayが、中国のCBDCであるデジタル人民元DCEPに対応したことを明らかにしました。一部のユーザーは、Alipay経由でDCEPを利用できるといいます。

これまでDCEPを使用するためのウォレットをダウンロードするには国営銀行への申請が必要でした。ユーザーは任意の国営銀行に対して利用申請を出し、許可されるとその国営銀行経由でDCEPにアクセスすることができる仕組みです。

今回のAlipayの対応により、国営銀行以外からでもDCEPへアクセスすることができるようになりました。Alipayに接続された銀行口座の預金を使ってDCEPとのトランザクションを実行できるといいます。なお、Alipayに並ぶ中国の大手決済サービスWeChat Payでは、まだDCEPへの対応は発表されていません。

【参照記事】China’s digital yuan inches closer to full rollout with AliPay, ICBC activations

まとめ、著者の考察

今週はGalaxy DigitalによるBitGoの買収やUniswapバージョン3のローンチ、Alipayの中国CBDC対応など、大きな動向が数多く見受けられました。これに伴いそれぞれの暗号資産も価格高騰を続けています。

特に昨今のイーサリアムには、価格の上昇を裏付けるファンダメンタルズが多数存在しています。米国上場企業初となるMogoのイーサリアム投資をはじめ、今後も大手企業の参入が期待できるのではないでしょうか。

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田上智裕

田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。