【重要ニュースまとめ(1/29~2/4)】IMFがエルサルバドル政府へ勧告、クロスチェーンブリッジWormholeで大規模ハッキング事件、日本のCBDCは2026年以降に

今回は、1/29~2/4の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. 日本のCBDC発行是非、2026年までに判断へ
    1-2. 暗号資産に関する金融犯罪レポート、DeFiでの悪用が急増
    1-3. IMFがエルサルバドルにビットコインを法定通貨から外すよう指摘
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. Coinbase Venturesがポートフォリオを公開
    2-2. 米財務省がセルフカストディ型ウォレットへの規制案を再検討
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. Solana Labsが決済プロトコルSolana Payをローンチ
    3-2. Wormholeでハッキング事件が発生
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

日本のCBDC発行是非、2026年までに判断へ

日本銀行の黒田総裁が、日本におけるCBDCの発行判断を2026年までに行う見込みであることを明かしました。日銀総裁がCBDCの発行時期に言及したのは初めてのことです。

黒田総裁は、過去にビットコインに対しては懐疑的な見方を示していたのに対して、CBDCと類似する機能を持つステーブルコインについては肯定的な意見を出していました。

CBDCの検討を行うには、各国の中央銀行が自国の決済システムの安定性や効率性を確保することが重要と説明しており、クロスボーダーでの取引を実現できる可能性も考慮すべきとしています。

日本では、2021年よりCBDCの調査が開始されており、2022年末に構想が明確になるとの発言も公開されてきました。

【関連記事】日銀総裁、日本のCBDC発行可否は「2026年までに判断可能」と発言

暗号資産に関する金融犯罪レポート、DeFiでの悪用が急増

ブロックチェーン分析企業Chainalysisが、2021年に発生した暗号資産に関する金融犯罪の調査結果を明らかにしました。1年間で86億ドルが不正に利用されたとし、中でもDeFi関連のものが9億ドルを占めています。

これまで、暗号資産の不正利用には主に集権型取引所が使用されてきました。しかし、規制当局による取り締まりの強化に加えて、2020年ごろからDeFiが急速に普及したことで悪用先がDeFiに移行したと考えられます。

Chainalysisは、暗号資産を使った金融犯罪について、麻薬取引などのオフライン犯罪や、毎年洗浄されている推定2兆ドルの法定通貨に比べれば微々たるものだと指摘しました。

【関連記事】2021年の暗号資産不正利用は86億ドル、DeFiによる資金洗浄が増加

IMFがエルサルバドルにビットコインを法定通貨から外すよう指摘

国際金融の安定化などを目的とする国際通貨基金(IMF)が、エルサルバドル政府に対してビットコインを法定通貨から外すよう勧告していることがわかりました。これまでに3度、正式な勧告を行ってきたようです。

IMFは、ビットコインを法定通貨とすることに対して、金融市場の安定性や消費者保護に悪影響を与える可能性があると指摘しています。確かに、外部変数の多いビットコインを法定通貨とすることで、経済危機などに瀕した場合の政策が有効化されないリスクが想定されます。

IMFによると、エルサルバドルは新型コロナウイルスの影響から経済が停滞している一方で、公的債務は拡大しているといいます。その状況下で、ビットコインの法定通貨化が更なる債務超過を引き起こすとして注意勧告を行いました。

【関連記事】IMFがエルサルバドルにビットコインの法定通貨化を再考するよう勧告

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

Coinbase Venturesがポートフォリオを公開

暗号資産取引所Coinbaseの投資部門であるCoinbase Venturesが、2021年に行った投資の内訳を公開しました。1年間で約150件の新規投資を行い、計250社となっています。

投資先の内訳としては、DeFiとCeFiが最も多く23%、次いでProtocols & Web3 infrastructureが20%、NFT/Metavarseが17%、Platform + Developer Toolsが15%となりました。

Coinbaseの主要事業である取引所だけでなく、競合になりうるDeFiなどにも積極的に投資することで、Coinbase全体として持続可能な戦略を構築しています。

【関連記事】暗号資産取引所Coinbaseの投資部門、2021年のポートフォリオを公開

米財務省がセルフカストディ型ウォレットへの規制案を再検討

米財務省が、セルフカストディ型ウォレットへの規制案の検討を再開しました。トランプ政権からバイデン政権へ移行するにあたり一時保留となっていた議論が、このタイミングで再び行われることになります。

セルフカストディ型ウォレットへの規制案は、2020年末より当時の財務長官が提案しており、業界からは強い反発の声が続出しました。MetaMaskなどのウォレットに対して本人確認を導入したり、一定額以上の送金は金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)への報告が義務付けられるなどの内容です。

万が一これらが制度化されると、DeFiやNFTから匿名性が失われる可能性があります。

【参照記事】The Unhosted Crypto Wallet Rule Is Back

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

Solana Labsが決済プロトコルSolana Payをローンチ

パブリックブロックチェーンSolanaの開発を主導するSolana Labsが、決済プロトコルとしてSolana Payをローンチしました。

Solana Payは、SolanaのネイティブトークンであるSOLや、Solana上で発行されるSPL規格のトークンを決済に使用するための仕組みです。Solanaエコシステムを拡大するための戦略であり、Solanaの高い処理性能を活かしたものであると言えるでしょう。

今回の開発には、ステーブルコインUSD CoinやSolana対応のウォレットPhantomなどの運営企業も参画しており、これらのサービスにSolana Payが組み込まれる可能性も高まっています。

【関連記事】Solana Labs、新たな決済プロトコル「Solana Pay」をローンチ

Wormholeでハッキング事件が発生

クロスチェーンブリッジWormholeで3億2,500万ドル規模のハッキング事件が発生しました。

Wormholeは、イーサリアムやSolana、Polygon、Binance Smart Chain、Avalanche、Terra、Oasisといったブロックチェーンに対応しているブリッジです。異なるブロックチェーン間でトークンの移動を行うことができる仕組みとして人気を集めています。

今回のハッキング事件は、Solanaの仕組みに適切に対応できていなかったWormholeの脆弱性をついたものであるとされています。すでに被害額は全額補填されているとされ、Wormholeからハッカーへの交渉が進められています。

1ヶ月ほど前には、イーサリアムの共同創業者であるVitalik氏がブリッジの脆弱性について指摘する投稿を行っていました。今回は、それが予期されていたものであるかのような事件となっています。

【関連記事】クロスチェーンブリッジを提供するWormhole、3億ドル以上のハッキング被害が発生

まとめ、著者の考察

今週は、IMFによるエルサルバドル政府への勧告やWormholeのハッキング事件などが話題となりました。日本でも、日銀総裁がCBDCの発行是非について言及するなど、2022年も1ヶ月が過ぎたタイミングで徐々に大きな動きが見られつつあります。

2021年がマルチチェーン時代であったことから、現在もSolanaを中心にイーサリアム以外のエコシステムが盛り上がりを維持しています。今後、これらのネットワークがどのような変化を見せ、イーサリアムと差別化していくのかは要注目です。

【関連記事】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法

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田上智裕

田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。