【重要ニュースまとめ(12/11~12/18)】ビットコイン全体の9割が発行完了、イーサリアムのサイドチェーンPolygonがZk-Rollup研究のMirを買収

今回は、12/11~12/18の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. 暗号資産の国別成熟度ランキング
    1-2. LINEが新たなNFTマーケットプレイスを来春リリース
    1-3. ビットコインの9割が発行完了
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. CoinbaseがDeFiレンディングサービスを提供開始
    2-2. IMFが暗号資産に対する国際的な規制の必要性を主張
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. Polygonがゼロ知識証明活用のMirを買収
    3-2. イーサリアム財団が新たなインセンティブプログラムを開始
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

暗号資産の国別成熟度ランキング

暗号資産リサーチ企業のCoincubが、2021年第4四半期版の暗号資産の国別成熟度ランキングを公開しました。

ランキングは、「規制」「取引所とウォレットの普及度合い」「DeFi」「金融サービスへの取り組み」「暗号資産を使った経済活動」などの計8つの評価基準を元に決定され、1位はシンガポール、次いでオーストラリア、米国となっています。日本はDeFiと金融サービスへの取り組みでスコアを下げたことで、43ヶ国中10位となりました。

日本の評価コメントとしては、「政府および研究機関が暗号資産を積極的に受け入れている。より低い暗号資産への課税が見込まれており、119のビットコインノードと主要な取引所が整備されている。」とされており、実態とは乖離した評価になっている点も否めません。

こういったランキングは、あくまで全体感を掴むものとして参考にし、より詳細な情報は現地の一次情報を収集することが重要です。

【関連記事】暗号資産の国別ランキングが公開、日本はトップ10にランクイン

LINEが新たなNFTマーケットプレイスを来春リリース

LINEが来年春に新たなNFTマーケットプレイスをリリースすることを発表しました。現在稼働しているNFTマーケットβ版の機能を拡充したものになるといいます。

新たに追加される機能としては、現状の二次流通市場だけでなく一次流通の整備と日本円による決済対応がメインとなるようです。NFTを販売するには、事前にLINEの審査が必要になっており、OpenSeaのような一般的なマーケットプレイスと比べてプライベートな状態だと言えるでしょう。

新たなLINEのNFTマーケットプレイスを利用するには、専用のウォレット
LINE BITMAX Walletが必要になります。LINEのクローズドなエコシステムの中でどれほど市場を拡大していけるか要注目です。

【関連記事】LINEが新たなNFTマーケットプレイスを発表

ビットコインの9割が発行完了

ビットコインの総発行量のうち、12月13日時点で9割が発行されました。残りの1割は、これから100年以上をかけて発行されます。

ビットコインの発行上限は約2,100万BTCを定められており、半減期による新規発行料の減少を考慮すると、2140年に全て発行される予定です。現時点ですでに9割以上が発行されているものの、現在の新規発行料は6.25BTC、2024年以降は3.125BTC以下となります。

新規発行料が減少し続けても、1BTCあたりの価格が上昇し続ければネットワークは維持される前提です。ネットワークを構成するマイナーは、新規発行料以外に取引手数料も報酬として得ることができるため、2140年以降は手数料収入だけで賄えることが予想されているのです。

【関連記事】ビットコイン、総供給量の9割が発行完了

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

CoinbaseがDeFiレンディングサービスを提供開始

米暗号資産取引所Coinbaseが、DeFiを利用したレンディングサービスの提供を開始しました。数ヶ月前にSECによって起訴され断念したCeFiレンディングサービスの代わりになるものです。

UniswapやCompoundなどのDeFiサービスで資金を運用すると、高額な利回りが獲得できます。しかし、まだまだそのハードルは高く、一般的なユーザーには手がつけられない状態です。

Coinbaseは、自社の提供するCoinbase Walletを通して、ユーザー資金を代わりにCompoundで運用するサービスを開始しました。Coinbase Walletでは、ユーザーの秘密鍵を預からない形でサービスを提供するため、CeFiレンディングのように既存規制の枠組みからは外れることが予想されます。

【関連記事】米Coinbase、DeFiレンディングサービスの提供開始

IMFが暗号資産に対する国際的な規制の必要性を主張

国際的な金融の安定性維持を目的に活動する国際通貨基金(IMF)が、暗号資産に対する規制の必要性について言及しました。グローバルで統一された規制を整備しないことには、暗号資産を正しくコントロールできないとしています。

IMFは、暗号資産の規制が未整備な状態で拡大し続けている現状について、経済を不安定にし中央銀行の金融政策を妨げる可能性があると警告しました。

国家による金融安定のための政策の範囲外にある暗号資産が普及してしまうことで、まさに目下の新型コロナウイルスななどの危機に直面した時に取り返しがつかないことを強調しています。

【関連記事】IMFが暗号資産に対する国際的な規制の必要性を指摘

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

Polygonがゼロ知識証明活用のMirを買収

イーサリアムのサイドチェーンPolygonが、セカンドレイヤーソリューションZk-Rollupの研究開発を行うMirを買収しました。Mirは今後、イーサリアムのセカンドレイヤーではなくサイドチェーンにZk-Rollupを適用することを目指します。

イーサリアムのスケーラビリティ問題を横目に、現在はマルチチェーン化が加速しています。Polygonをはじめとするサイドチェーンを含め、BSCやSolana、Avalancheなどが勢力を拡大してきました。

サイドチェーンは独自のコンセンサスアルゴリズムを持つ一方で、セカンドレイヤーはセキュリティをイーサリアムに依存しています。サイドチェーンの方が管理がしやすいため、Polygonはセカンドレイヤーとしてではなくサイドチェーンを選択したと考えられます。

Mirが研究開発を進めていたZk-Rollupは、セカンドレイヤーでの採用が進む技術であり、これをサイドチェーンに持ち込むことでさらにスケーラビリティとプライバシーの向上が期待できます。

【関連記事】Polygonがゼロ知識証明活用の「Mir」を4億ドルで買収

イーサリアム財団が新たなインセンティブプログラムを開始

イーサリアムの開発を主導するイーサリアム財団が、新たなインセンティブプログラムを開始しました。イーサリアムのような分散型のプロジェクトがインセンティブプログラムを提供すること自体は珍しくなく、グラントという名称で広く普及しています。

今回のプログラムは、イーサリアムのネットワークを支えるクライアント(ノードを動かすためのソフトウェア)を開発するチームに対してのものです。イーサリアム財団は、9つのチームをインセンティブ付与の対象としてあげており、4,608ETH相当が与えられるといいます。

背景としては、イーサリアムのメインネットを支える重要な役割を担う要素が不足している点をあげ、よりコアな基盤を強固にすべく、これに取り組むチームをサポートする方針です。サポート対象となったチームには、バリデータとして稼働することができる権限を持つ144のノードが提供されます。

つまり直接ETHを得るわけでなく、バリデータとしてノードを動かすことで発生する収益を得ることになる設計です。

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まとめ、著者の考察

今週はビットコインの発行量が9割を突破したことや、PolygonによるMirの買収などが話題になりました。特に、ビットコインの9割が発行済みであることは意外と知られていない事実であり、残りの1割を100年以上かけて発行することに驚いたことも少なくないでしょう。

また、Polygonの動きのように、ブロックチェーンエコシステムはイーサリアムを軸にそこから派生したプロジェクトが激しい競争を繰り広げています。Solanaだけはイーサリアムとの互換性がないため異なるエコシステムと言えますが、どのブロックチェーンが抜け出すのか、またはセカンドレイヤーが台頭するのか、今後の流れに要注目です。

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田上智裕

田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。