【重要ニュースまとめ(3/26~4/1)】Axie InfinityのRoninブリッジがハッキング被害で巨額流出、a16zがエアドロップの匿名化ツールを発表

今回は、3/26~4/1の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. MetaMaskがApple Payに対応
    1-2. 日銀がCBDCの実証実験を次のフェーズへ移行
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. Roninブリッジから750億円相当が流出
    2-2. インドで暗号資産所得30%の法案が可決
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. a16zがエアドロップの匿名化ツールを開発
    3-2. LayerZeroが1.35億ドル調達
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

MetaMaskがApple Payに対応

暗号資産ウォレットMetaMaskが、Apple Payを通して暗号資産の購入ができるよう対応しました。暗号資産決済サービスWyreを利用することで、Apple Payとの接続を実現しています。

ユーザーは、Apple Payで使用しているクレジットカードを使ってMetaMaskから暗号資産を購入できるようです。現時点ではETHにのみ対応していますが、今後の追加も期待できます。

今回の発表に併せて、MetaMaskはパブリックだけでなくプライベートブロックチェーンへの対応も開始しました。ネットワーク手数料が発生しないトランザクションにも対応できるようになり、より汎用的なウォレットへと拡大しています。

【関連記事】暗号資産ウォレットMetaMask、Apple Payに対応

日銀がCBDCの実証実験を次のフェーズへ移行

日本銀行が進めるCBDCの実証実験がフェーズ2へと移行することが明らかとなりました。予定していた通り2022年春からのフェーズ2移行となり、現時点では順調な進捗を見せています。

日銀は、2021年4月よりCBDCの実証実験を開始しており、当初から2022年春までにフェーズ2へ移行するかを決定するとの方針を示していました。フェーズ2のスケジュールは明らかになっていないものの、詳細な技術調査や実現可能性が確認される予定です。

具体的には、「決済の利便性向上」、「仲介機関間・外部システムとの連携」、「経済的な設計(金融システムの安定確保など)」の3つがフェーズ2の焦点になります。これに伴い、実験用のウォレットアプリを構築してユーザービリティの検証も行われると説明されました。

【関連記事】日本の中央銀行デジタル通貨(CBDC)実証実験、フェーズ2へ

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

Roninブリッジから750億円相当が流出

Play to Earnの火付け役として知られる人気ブロックチェーンゲームAxie Infinityの専用ブリッジRonin Bridgeが、750億円相当の資産が流出しました。対象になったのは720億円相当のETHと30億円相当のステーキングUSDCです。

Ronin Bridgeは、Axie Infinity独自のサイドチェーンRoninへ資産を移すためのブリッジです。Ronin Bridgeから資金を引き出すために使用される秘密鍵9つのうち、半数以上にあたる5つが不正流出したと報告されています。

ここ数ヶ月は、異なるチェーンを繋ぐブリッジからの資産流出が相次いでいます。具体的には、PolyNetworkやWormhole、そして今回のRoninがあげられます。Ronin Bridgeから流出した資産は、運営元であるSky Mavisが全額補填することを発表しました。

【参照記事】Community Alert: Ronin Validators Compromised

インドで暗号資産所得30%の法案が可決

インド議会の下院で、暗号資産所得に30%課税される法案が可決されました。加えて、年間約16,000円以上の収益が発生した場合には、1%の源泉所得税も課されます。

今回の法案は、暗号資産だけでなくNFTも含むデジタル資産を対象にしたものです。デジタル資産を譲渡することで発生する所得には一律課税されることになり、損益通算は適用されないことになります。

業界からは反対意見が多く上がっており、海外への資産流出が想定されるとの指摘が相次いでいるようです。インドは米国や日本などと比べて暗号資産に関する法制度の整備が遅れており、今回の所得税案以外にも並行していくつかの法案が議論されています。

【関連記事】インド、暗号資産所得に30%課税する法案が可決

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

a16zがエアドロップの匿名化ツールを開発

大手ベンチャーキャピタルa16zが、ゼロ知識証明を活用したエアドロップの匿名化ツールを公開しました。エアドロップを受け取る際に、受け取るためのアドレスを公開することなく受け取れる仕組みと説明されています。

独自トークンを発行するプロジェクトは、コミュニティを大きくするためにトークンをばら撒くエアドロップというマーケティングを行うことが珍しくありません。ユーザーも、エアドロップ目的でサービスを利用する傾向が定着しており、新型コロナウイルスにおける各国政府からの支援金になぞらえて、給付金と呼ばれることもあります。

エアドロップを受け取るには、自身のアドレスを公開する必要がありますが、今回a16zが発表したツールを使うことでアドレスを公開することなくトークンを受け取ることができるようです。この仕組みは、さらに応用することで一般的な送金シーンにおいても相手にアドレスを公開することなく受け取ることができるようになるかもしれません。

【参照記事】Privacy-Protecting Crypto Airdrops with Zero Knowledge Proofs

LayerZeroが1.35億ドル調達

異なるブロックチェーン同士を繋ぐインターオペラビリティ系プロトコルのLayerZeroが、1億3,500万ドルの資金調達を実施しました。今回のラウンドはシリーズAに相当し、a16zやセコイアキャピタルが参加しています。

また、特徴的なのは各プロトコルの運営企業がこぞって資金調達に参加している点です。LayerZeroの特徴であることから、Uniswap、Avalanche、Polygon、Flowなどの運営企業が名を連ねました。

LayerZeroは、イーサリアムを中心にEVM互換のチェーンを繋ぐプロトコルです。LayerZeroがハブとなりあらゆるブロックチェーンを繋ぐことで、開発者はブロックチェーンを意識することなくDAppsを開発できるようになると説明しています。

【参照記事】LayerZero Labs Raises $135 Million to Create Omnichain Crypto Networks | Business Wire

まとめ、著者の考察

今週は、Roninブリッジからの資金流出やLayerZeroの資金調達が話題になりました。特にRoninブリッジのハッキング事件は、過去最大規模の資金流出であったことと、Axie Infinityという知名度の高いプロジェクトによるものだったことから、世間を大きく騒がせています。

クロスチェーンブリッジからの資金流出が最近相次いでいることからわかるように、本質的に異なるブロックチェーン間で資金を動かすのはリスクが伴います。決してマルチチェーン化が悪いわけではありませんが、それぞれのブロックチェーンは異なるエコシステムとして成長すべきと言えるでしょう。

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田上智裕

田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。