【重要ニュースまとめ(3/12~3/18)】人気NFTコレクションのIPが統合、所有者の商用利用が許可される一方で集権化を危惧する声も。イーサリアムThe MergeがテストネットKilnで実行

今回は、3/12~3/18の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. ドバイが暗号資産特化の政府機関を設立
    1-2. 韓国大統領選挙で暗号資産推進派の人物が勝利
    1-3. 金融庁が暗号資産交換業者に制裁協力を要請
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. タイが暗号資産の規制緩和を発表
    2-2. Bored Ape Yacht Clubの運営企業がIPを取得
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. イーサリアムのThe MergeがテストネットKiln稼働
    3-2. Polygonでネットワーク遅延が発生
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

ドバイが暗号資産特化の政府機関を設立

世界における暗号資産のハブとしての立ち位置を目指すドバイが、国内に暗号資産専門の政府機関を設立することを発表しました。併せて、ドバイ暗号資産規制法を公布し、暗号資産関連事業者のライセンス制などを推進する計画です。

ドバイは、ドバイ貿易センターを中心にこれまでにさまざまな暗号資産推進策を実施してきました。昨年12月には、暗号資産取引所Binanceと提携することで国内市場の発展だけでなく海外からの資金流入を促しています。

今回設立されることが明らかとなった専門機関は、投資家保護と業界のガバナンス統治を目的としているようです。ドバイ貿易センターと密に連携を取ることで、さらなる市場の発展を図っています。

【関連記事】ドバイ、暗号資産規制のための政府機関を設立

韓国大統領選挙で暗号資産推進派の人物が勝利

3月10日に幕を閉じた韓国の大統領選挙で、暗号資産推進派のYoon Suk-Yeol氏が当選しました。わずか1ポイント差での勝利となっています。

Yoon Suk-Yeol氏は、若年層の票を獲得するために暗号資産やメタバースに関する公約を掲げていました。韓国では、これまで暗号資産に関する厳しい取り締まりが行われており、大統領の交代により今後どのような変化が現れるか要注目です。

また、Yoon Suk-Yeol氏は、海外からも暗号資産に関連するユニコーン企業を誘致したい考えを見せています。自身の保有するNFTを公開するなどして指示を集めてきた同氏の今後の動向には、国内外から多くの注目が集まりそうです。

【関連記事】韓国大統領選挙で暗号資産を推すイ・ジェミョン氏が当選、規制緩和へ期待感高まる

金融庁が暗号資産交換業者に制裁協力を要請

日本の金融庁が、ロシアに対する経済制裁の一環として、国内の暗号資産交換業者へ協力要請を出しました。ロシアに関連すると思われるアドレスには、暗号資産を送金しないよう呼びかけています。

金融庁は、国内の認定自主規制団体であるJVCEAを通して、暗号資産取引所との連携を図っています。具体的には、ロシアに関連する疑いのあるウォレットアドレスを特定し、当該アドレスでは暗号資産の移転を行わないことやモニタリングの強化を求めました。

JVCEAは、国内の暗号資産取引所へ協力要請を出し、適切かつ円滑に取り組むよう指導を行うと発表しています。

【関連記事】金融庁、暗号資産取引所にロシアへの経済制裁措置を要請

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

タイが暗号資産の規制緩和を発表

タイ政府が、国内の暗号資産取引に関する税制緩和を発表しました。国内での暗号資産取引量が急増している状況を受け、さらなる市場の拡大に繋げる意向です。

税制緩和の内容は、国内の認可済み取引所を通して暗号資産取引を行った場合、本来生じる7%の付加価値税が免除されるというものです。緩和期間は2022年4月から2023年12月までに設定されています。

タイの財務大臣によると、国内における暗号資産取引口座は2021年の1年間で10倍以上になったといいます。政府は、今回の税制緩和を発表するとともに、マネーロンダリングやサイバー犯罪などに暗号資産が活用される可能性もあるとして対策の必要性にも言及しました。

【関連記事】タイ政府、暗号資産の税制を緩和

Bored Ape Yacht Clubの運営企業がIPを取得

人気NFTコレクションBored Ape Yacht Club(BAYC)の運営企業Yuga Labsが、Larva Labsの運営する人気NFTコレクションCryptoPunksとMeebitsの知的財産権(IP)を取得しました。主要NFTコレクション同士のIPが統合されたこともあり、大きく話題となっています。

Yuga Labsによると、今後はそれぞれのNFT所有者が商用利用できるように権利を設定するとしています。CryptoPunksとMeebitsの新たな利用規約も作成中とのことだ。

今回の動向は、Yuga LabsがLarva Labsを買収するといったものではないようです。運営企業の人材移動もなく、Larva Labsは引き続き活動を続けるとされています。

【関連記事】人気NFT「BAYC」の運営、CryptoPunksとMeebitsの知的財産権を取得

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

イーサリアムのThe MergeがテストネットKiln稼働

2022年内のローンチが予定されているイーサリアム過去最大のアップデートThe Mergeが、専用のテストネット「Kiln」に実装されました。いくつかの不具合が報告されているものの、ブロック生成には成功したことが公表されています。

Kilnは、すでに存在するいくつかのテストネット(RopstenやGoerliなど)に公開される前の最後の専用テストネットです。Kilnでの安定稼働が確認されると、いよいよパブリックテストネットへのローンチが行われます。

現時点でThe Mergeのローンチ時期は確定していません。2022年の第二四半期が有力とされていますが、10月にイーサリアム最大の開発者カンファレンスDevconが開催されることを考慮すると、そこまで後ろ倒しになる可能性も考えられます。

【参照記事】Announcing the Kiln Merge Testnet | Ethereum Foundation Blog

Polygonでネットワーク遅延が発生

イーサリアムのサイドチェーンPolygonのネットワークが一時停止していたことがわかりました。停止時間は8時間に及んでいます。

Polygonの発表によると、アップデート作業に伴いネットワークの一時停止が起きる予定だったことを事前に告知していたものの、予定時刻を大幅に上回るネットワークの停止が起きてしまったようです。

原因は、Polygonで使用しているフレームワークTendermintによるものだといい、ネットワークを構成するノードのうち3分の2以上のコンセンサスが取れなかったため、一時的に停止していたと説明されています。

【関連記事】レイヤー2「Optimism」がParadigm、a16zから1億5,000万ドルを調達

まとめ、著者の考察

今週は、Yuga LabsによるCryptoPunksとMeebitsのIP取得や、Polygonネットワークの遅延などが話題になりました。その他にも、ドバイや韓国、タイといった各国で動きが見られています。

日本でも、ロシアに対する経済制裁の影響が暗号資産業界にも派生するなどしました。引き続きロシアによるウクライナ侵攻が話題になっており、業界への影響は続きそうです。

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田上智裕

田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。