【重要ニュースまとめ(1/8~1/14)】PolygonがPlonky2を公開、サイドチェーンのネットワーク性能を向上へ。イーサリアムのL2ソリューションArbitrumは一時ネットワークがダウン

今回は、1/8~1/14の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. エルサルバドルのビットコインシティが100%再エネ利用
    1-2. a16zがWeb3.0の10原則を公開
    1-3. 2021年の暗号資産犯罪利用率は0.15%、過去最低水準
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. Dapper LabsがNFT関連企業初のロビー団体登録
    2-2. 米複数銀行が共同でステーブルコイン発行へ
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. Polygonがイーサリアムのスケーリングソリューション「Plonky2」を発表
    3-2. イーサリアムのセカンドレイヤーArbitrumが一時ダウン
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

エルサルバドルのビットコインシティが100%再エネ利用

エルサルバドルの暗号資産特区「ビットコインシティ」が、地熱発電による100%再生エネルギーで全ての電力消費を賄う計画を発表しました。

エルサルバドルでは、所得税やキャピタルゲイン税がかからない国内の一部地域をビットコインシティとして特区認定しています。エルサルバドルには多くの火山が存在しているため、以前より再生エネルギーでのビットコインマイニングなどに取り組む様子も報じられていました。

ビットコインシティの電力は1つの火山からの地熱エネルギーで賄えるといい、余剰分はビットコインマイニングに回す方針であることも明らかにしています。

【関連記事】エルサルバドル、ビットコインシティを100%再生エネルギーで賄う計画

a16zがWeb3.0の10原則を公開

米大手ベンチャーキャピタルa16zが、Web3.0における独自の10原則を公表しました。2021年をWeb3.0の分岐点と評し、今年は法整備などをより具体的に進めていく必要があるとしています。

a16zは、デジタルインフラを整備するために明確なビジョンやガバナンス、リスク調整が施された監視体制などを列挙。事業者に対しては、コミュニティやDAOの重要性、持続可能性や金融包摂などのSDGs要素、そのためのステーキングや整備された税制などを求めました。

a16zは、Web3.0の先駆者として多くのプロジェクトに投資しています。この状況に、元Twitter CEOのジャックドーシー氏が「Web3.0はaとzの間にある」などとして批判したことが2021年末に話題となりました。

【関連記事】米大手ベンチャーキャピタルa16z、Web3.0の10原則を公開

2021年の暗号資産犯罪利用率は0.15%、過去最低水準

ブロックチェーン分析企業Chainalysisが、2021年における暗号資産の犯罪利用率に関するレポートを公開しました。暗号資産価格が高騰したため総額としては増加したものの、割合としては過去最低水準となっています。

Chainalysisによると、2021年に犯罪に利用された暗号資産の総額は140億ドルに及ぶといいます。これは、前年比1.8倍になるとされ、過去最高額を記録しました。一方で、暗号資産市場全体における犯罪利用率は0.15%と一部であることも明らかとなっています。

これは、2021年に暗号資産市場全体が前年比567%の成長を記録したことが要因です。犯罪利用率が減少した主な理由は、各国の法務執行機関の対応能力が向上している点があげられました。

【関連記事】2021年の暗号資産犯罪利用率は0.15%、過去最低水準を記録

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

Dapper LabsがNFT関連企業初のロビー団体登録

カナダに拠点を持つNFT関連企業Dapper Labsが、米国のロビー活動団体としての登録を済ませていたことがわかりました。

米国では、ロビー活動を行うために団体登録を行う仕組みとなっています。民間企業との必要な対話が重視されていることの現れであり、暗号資産業界のような規制市場にとっては重要な要素です。

Dapper Labsは、NFT関連企業としては初めてのロビー活動団体になるといいます。NFTは現状、米国や日本を含む世界各国で規制が明確化されておらず、Dapper Labsを中心として今年はNFTのルール整備が進むかもしれません。

【関連記事】Dapper LabsがNFT関連企業初となるロビー活動開始へ

米複数銀行が共同でステーブルコイン発行へ

米国の複数銀行によるステーブルコイン発行コンソーシアムが設立されました。USDFと呼ばれるステーブルコインを発行する予定です。

米国では、ステーブルコインの発行体に厳格な規制が設けられる方針となっており、その水準は銀行業と同等になるといいます。これは裏を返すと、すでに銀行として事業を営んでいる事業者にとっては、ステーブルコイン事業に参入する絶好の機会だと言えるでしょう。

今回設立が発表されたUSDFコンソーシアムは、5つの銀行と2つの民間企業により構成され、米ドルと1対1で価値が連動するものになります。一般的なステーブルコインと違い、Provenance Blockchainというブロックチェーンを使用するようです。

【参照記事】USDF Consortium™ Launches to Enable Banks to Mint USDF Stablecoins

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

Polygonがイーサリアムのスケーリングソリューション「Plonky2」を発表

イーサリアムのサイドチェーンPolygonが、ゼロ知識証明を使ったスケーリングソリューションPlonky2をローンチしました。他のスケーリングソリューションと比べて100倍の性能を持つとされています。

Polygonは、昨年12月にゼロ知識証明を活用したZK-Rollupsの研究開発を行うMirを買収。今回のPlonky2は、Mirのチームが開発したものになるといいます。特徴は、スマートコントラクトによる複雑なトランザクションでも検証可能になる点です。

2022年はイーサリアムのセカンドレイヤーが成熟化することが予想されます。Polygonはサイドチェーンではありますが、イーサリアムとの互換性を持っているため、今後さらなる処理性能の向上が期待されます。

【関連記事】Polygonがゼロ知識証明活用の「Plonky2」をリリース、イーサリアムの処理性能向上へ

イーサリアムのセカンドレイヤーArbitrumが一時ダウン

イーサリアムのセカンドレイヤー(L2)Arbitrumのネットワークが、シーケンサーの不具合により一時ダウンしました。なお、L2上のトランザクションは直接イーサリアムに接続することができるため、今回のダウンが致命的な問題に繋がることはなかったと説明されています。

Arbitrumは、イーサリアムのL2の中で最も多くのシェアを持っています。1日あたりのトランザクション件数は3万件前後と乏しいですが、今年の飛躍が期待されているL2ソリューションの中の1つです。Arbitrumを開発するOffchain Labsは、現状のArbitrumはアルファ版であるとし、今回のような不測の不具合は今後も起こりうることを示唆しました。

一方で、今後より分散化を進めていく中で、ネットワークを強固にしていくことを最優先事項として捉えていることも明らかにしています。

【関連記事】イーサリアムのセカンドレイヤーArbitrumが一時ダウン、シーケンサーの不具合が原因

まとめ、著者の考察

今週は、米銀行によるステーブルコインの発行やDapper Labsのロビー活動登録などが注目を集めました。より技術的には、PolygonによるPlonky2やAribitrumのネットワークダウンが話題となっています。

特にPolygonのPlonky2は、フラッシュローンやアービトラージなど一度のトランザクションでアセット移動を実現する取引をL2で検証することに成功したということで、エコシステム全体から非常に大きな注目を集めました。開発チームである元Mirを昨年末に4億ドルで買収したPolygonの戦略が高く評価されています。

今年はブロックチェーンのスケーラビリティ問題解決に向けてサイドチェーンやL2が成熟化することが予想される一方で、ステーブルコインなどのビジネス文脈では規制がより厳しくなることも想定されます。

【関連記事】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法
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田上智裕

田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。