今回は、bitFlyer Lightningの使い方について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- 現物・FX・先物取引に対応する取引所
- bitFlyer Lightningの画面構成
- bitFlyer Lightningのメリット
- bitFlyer Lightningのデメリット
- bitFlyer Lightningを利用したトレード
5-1. 現物ベースで取引し、FXでヘッジする
5-2. アラート機能を取引で使用する
5-3. TRAILING注文を活用する
5-4. チャットで市場心理を探る - まとめ
株式会社bitFlyerはゴールドマンサックス出身の加納 裕三氏が2014年に立ち上げた企業で、仮想通貨業界では古参の部類に入ります。以前はBTCJPYのFX取引のみ扱っていましたが、現在は現物取引から先物取引、仮想通貨同士のペアの取引まで可能となり、利便性がとても向上しました。
国内の主要メガバンクやベンチャーキャピタルから出資を受けているbitFlyerは資本力が大きいこともあり、ビットコイン取引では国内No.1の取引量(※ Bitcoin日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における2021年の年間出来高、差金決済/先物取引を含む)を誇る取引所としての地位を維持しています。
ここではbitFlyerが提供している「bitFlyer Lightning」を使った取引方法について、筆者の知見を交えながら解説していきます。
①現物・FX・先物取引に対応する取引所
まずはbitFlyer Lightningの概要を解説します。「bitFlyer Lightning」は、ビットコイン取引量で6年連続*で国内ナンバーワンのビットフライヤーが提供している取引サービスです。仮想通貨(暗号資産)の現物・FX・先物取引に対応しており、チャート分析や条件注文、レバレッジ取引の利用など様々な機能を備えています。*Bitcoin日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における2016年-2021年の年間出来高、差金決済/先物取引を含む。
bitFlyer Lightningは取引タイプ毎に、それぞれ以下の取引市場を提供しています。
- 現物: BTC/JPY, XRP/JPY, ETH/JPY, XLM/JPY, MONA/JPY, ETH/BTC, BCH/BTC
- Lightning FX:BTC-FX/JPY
- Lightning Futures:BTC/JPY-1週間先物、2週間先物、3か月先物
②bitFlyer Lightningの画面構成
bitFlyer Lightning ではチャート表示を、LightChart・Cryptowatch・Originalの3種類から選べます。今回はデフォルトのLightChartを選択して、bitFlyer Lightningの画面構成から解説していきます。

上図はbitFlyer Lightningのトレードプラットホームとなります。ヘッダーに表示通貨や取引タイプの選択、各種ショートカットがあります。その下の通貨ペアのレートが表示されたバーを挟んで、左から「チャート」、「取引板」、「発注画面」、「売買履歴」と「ニュース」が並び、一番下が「注文状況と取引履歴」、「チャットルーム」となっています。
利用できるインジケーターはチャートによって異なり、LightChartでは6種類ですが、Cryptowatchにすると33種類を利用できます。
中央の取引板を見ると、現在価格を挟んで「買い板」と「売り板」が上下に分かれてます。グラフで視覚的に注文量の多い価格帯が把握できるデザインとなっています。注文数量は小数第8位まで記載されていますが、明暗を工夫して不要な数字を意識しなくても済むようになっています。
注目は、「最終取引価格」の横に「スプレッド」がリアルタイムで表示されている点です。このような表示がないと差額を使って計算しないとスプレッドがどれだけ開いているか分からないので、新設な機能です。
また、そのすぐ横に発注画面が置かれています。このレイアウトなら取引板のスプレッド値や注文量の状態を見ながら発注作業を瞬時にできます。スキャルピングにとって便利な設計です。

また、発注方法も指値、成行のほか、IFO、OCO、IFDOCO、TRAILINGなど、上級者にも十分対応した条件注文が備わっています。

約定履歴も綺麗に色分けされており非常に見やすい仕様です。そのすぐ下には仮想通貨・ビットコインニュースが表示されます。他のトレーダーとのチャットができるツールもついており、市場感情がおおまかに把握できます。
③bitFlyer Lightningのメリット
トレーダー視点で見たときに、bitFlyer Lightning にどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
1、取引形態が多様
現物だけではなくFXや先物など取り揃えられており、特にビットコイン・トレードのプラットフォームとしては最適な取引所と言えるでしょう。
2、インターフェースが見やすい
前述の通り、インターフェイスは利用しやすく特にスキャルピング向きだと思います。
3、多様な注文機能
指値、成行のほか、IFO、OCO、IFDOCO、TRAILINGなど、上級者にも十分対応した条件注文が備わっています。TRAILING注文は2時間以上の時間軸でトレードをする際に非常に便利な機能です。TRAILING注文が可能な仮想通貨取引所は少ないので、後ほど詳細な使用方法を解説します。
④>bitFlyer Lightningのデメリット
bitflyer lightningに大きなデメリットはあまりありませんが、個人的には取扱い通貨が少ない点や、初期設定で取引画面の操作音がピコピコとゲームの様で、少しうるさい点が挙げられます。ただ、効果音に関しては左側のメニューサークルから設定で消すことができます。
⑤bitFlyer Lightningを利用したトレード
最後にbitFlyer Lightningをどのようにトレードに活かせばいいのか解説します。
5-1. 現物ベースで取引し、FXでヘッジする
bitFlyer Lightningが現物の取引銘柄にアルトコインを加えたのは比較的最近です。bitFlyer Lightningの中でもビットコインの取引量がまだまだ圧倒的なので、ビットコインのトレードに使用するのが良いでしょう。
特にbitFlyer Lightningは、ビットコイン取引の約定力の高さとツールの視認性の高さをいかしたスキャルピングや短期トレードに最適です。
より長い時間軸でビットコインをトレードして、大きな動きが出た時に先物やFX を利用して両建て状態にすることにより、変動リスクを一時的に抑えるという使い方もできます。
5-2. アラート機能を取引で使用する
bitFlyer Lightningのアラート機能は、自分で細かい条件を設定出来るため便利です。価格変動率の設定などかなり細い設定ができるため、相場の急変を見逃すことなくトレードできるでしょう。
ラウンドナンバーなど重要な節目に来た時や、強力なレジスタンス・サポートラインに達した際、トレンドラインやチャネルラインにタッチしたタイミングなど、自分で設定することができます。
通知方法としては、音声・メールによる通知が選択できます。パソコンさえ起動している状態であればアラートを見逃すことは少なくなると思います。
5-3. TRAILING注文を活用する
TRAILING(トレイリング)とは、トレンドが出た場合に逆指値注文の起動位置を自動的に上げていく方法です。
特にポジションを保有し続けて利幅を伸ばしたいときに利用できます。例えば価格が上昇し続けている時、利益確定のための逆指値注文の目標価格を一定値幅で引き上げることができます。この場合、下落方向へ反転すると自動的に逆指値注文が発動します。
TRAILING注文により、手動でSTOPロス注文を引き上げる必要がなくなります。頻繁にマーケットをチェックする手間が省けるため、おすすめの機能です。
他社ではなかなか利用できない「TRAILING」や「逆指値注文(STOP)」は、bitFlyer Lightningの「特殊注文」から選択できます。
5-4. チャットで市場心理を探る
チャットルームは今のチャートの動きに対するトレーダーの感想が反映されているため、市場心理を探るために便利なツールとなります。
このような情報を集めるにはTwitterも有効ですが、チャット機能は取引プラットフォームに内臓されているので便利です。
注意すべき点は、ポジショントークを真に受けてトレードに影響を与えることです。トレーダーの心理戦に飲み込まれるのではなく、達観した視点で市場心理を把握するように心がける必要があります。
⑥まとめ
bitFlyer Lightningは元ゴールドマンサックスのトレーダーがトップで開発されたものということもあり、とてもトレーダー視点で網羅されていると感じるツールとなっています。トレーダーとして必要と考えられる機能を備え、視覚的にも綺麗に整理されているので、非常に実践的なツールだと思います。
ビットフライヤーはビットコイン取引市場の流動性が高く、ツールも使いやすいため、ビットコインのトレードを行うなら一度は利用してみることをおすすめします。
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中島 翔

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