bitFlyer Lightningで活用したいビットコイントレード手法:フィボナッチ・リトレースメント

誰もが投資をするに当たって直面する壁に「何に、どのタイミングで投資をするか?」という問題があります。市場に投資商品は沢山溢れているので初心者は悩まれる方も多いと思います。しかし、全ての投資商品に共通して重要な役割を担うものが一つあります。それは「テクニカル分析」です。

「テクニカル分析」というのは価格の値動きを表したチャート上で、多様な指標に基づいて行うものです。トレーダーにとって、テクニカル分析はエントリーするタイミングを図る上で重要な判断材料となっています。投資商品の値動きはあくまで投資家が売買を行った結果であるため、価格を表すと同時に、ある意味人間の心理的状況を投影したものとも言えます。テクニカル分析を覚えておくとあらゆる投資商品に対応できるため、勉強しておくことをおすすめします。

筆者は、前職で3メガ系証券会社で外国為替のスポット、フォワードトレーディング、そしてEM通貨建(トルコリラ、南アフリカランド、インドルピー、ブラジルレアル等々)クレジットトレーディングを行っており、世界経済の分析をしながら日々マーケットと対峙していました。こうした経験を踏まえ、ここではトレード手法を実際のチャートを利用して紹介したいと思います。

目次

  1. フィボナッチ・リトレースメントとは?
    フィボナッチ数列について
  2. フィボナッチ・リトレースメントの見方
  3. フィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード手法
  4. フィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード手法(応用編)
  5. トレードで重要なポイント

フィボナッチ・リトレースメントとは?

ここでご紹介するのはフィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード手法です。ルールは非常にシンプルなのでトレード初心者にとっても取り組みやすいものと言えます。まずは「フィボナッチ数列」とは何かについて説明したいと思います。

フィボナッチ数列について

フィボナッチ肖像
フィボナッチはレオナルド・フィリオ・ボナッチ(1170年~1175年ごろ)という、中世ヨーロッパの数学者の名前に由来しています。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55・・・
この数列は「隣り合う2つの数を加えると、次の数に等しくなる」という規則を持っています。フィリオ・ボナッチは著書「算術の書」でこの数列を初めて世に広めたので「フィボナッチ数列」と呼ばれるようになりました。

フィボナッチ数列の2つの連続する項の比は、次第に約1:1.618または約0.618:1に近づいていきます。この比率は最も美しいとされる「黄金比」と呼ばれ、オウム貝やピラミッド、アップルのロゴなど、自然界を含む多くの優れたデザインに当てはまります。

様々な指標の中でも数多くの投資家に愛用されているのがフィボナッチ比率を利用した「フィボナッチ・リトレースメント(戻り)」です。トレーダーはフィボナッチリトレースメントをチャート上で表示することで、心理的にどこで反発しやすいのか、どのラインで止まるのかなど、“目途”をつける際に使用しています。フィボナッチ・リトレースメントは、視覚的な判断もしやすいため大局的なラインを知りたい場合に利用する価値のあるテクニカル指標です。

※「フィボナッチ・リトレースメント」以外に、相場の動きを時間軸からフィボナッチ数列で計算する「フィボナッチ・タイムゾーン」や、ある価格からトレンドラインを引き、そのラインを割った後、次に反転するポイントをフィボナッチ数列で予想する「フィボナッチ・ファン」、円弧(えんこ)を用いる「フィボナッチ・アーク」などがあります。

②フィボナッチ・リトレースメントの見方

次にフィボナッチ・リトレースメントの基本的な見方について解説します。フィボナッチ・リトレースメントは下記のような作り方になるのでチャートをご覧ください。
fib btc day 1
チャート上の安値を0%、高値を100%としてラインでつなげると、その位置から算出された23.6%、38.2%、50%、61.8%、78.6%の水準がプライスと一緒に表示されます。

これが「戻り目処」やサポートラインに使用される水準です。上記はビットコインの日足チャートですが一度急上昇した後、一旦下落して調整しているのが見て取れます。その「調整がどこまでなのか?」をフィボナッチ比率を利用して推し量ることができます。

特に重要なラインは「半値戻し」と呼ばれる50%の水準で、多くのトレーダーが意識しています。大きく上昇した後に下落を始めたら、必ずフィボナッチ・リトレースメントを引いてみて、どの位置に戻り目処があるのか?とチェックする癖をつけるといいでしょう。

③フィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード手法

次にフィボナッチ・リトレースメントを利用した取引手法を解説していきたいと思います。先章では、フィボナッチ・リトレースメントのラインは戻り目処として機能しやすいということをお伝えしました。つまりこのラインを利用してトレードをすることができます。下記のチャートをご覧ください。
bitcoin 4h fib
上記のチャートはビットコインの4時間足チャートです。27日に急落した後、戻り高値の目処を把握するためにラインを引いています。

トレード手法はシンプルです。まず資金の20%を38.2%戻しの位置でショートエントリーします。次に50%(半値戻し)の位置でさらに20%をショートエントリーします。最後に61.8%戻しで20%をエントリーします。

このように計画的なナンピンによって損益分岐点は半値戻しの位置である50%のラインに落ち着くことになります。50%以下に下落した範囲が利幅となります。

では次に利益確定の目処と損切りラインの位置を説明します。利益確定の位置は28.6%の位置まで到達すれば買い戻しで利益確定がベターでしょう。損切りは78.2%の戻しの位置を超えたあたりで損切りというルールにしたいと思います。

これはトレード戦略はシンプルであるためとても利用しやすい手法と言えるでしょう。
さらに保守的にトレードを行うのであれば、資産配分を調整することで「より負けにくいトレード」をすることも可能です。

例えば最初の38.2%の位置で投じる配分を資金の10%に落とします。次に半値戻しの位置で20%の配分でショートエントリーします。最後に61.8%の戻しの位置で40%ショートエントリーすることで損益分岐点は半値戻しの位置よりも上のラインが損益分岐点になるため、“より負けにくいトレード”になります。利益確定の位置も38.2%戻しの位置に水準を上げることで早めにトレードを終えることができます。負けにくいトレードには、リターンが小さくなるというデメリットがありますが、トレードは“負けないこと”が一番重要です。資産が減らなければいいというスタンスで、余裕を持ってトレードする心持が大切と言えます。

④フィボナッチ・リトレースメントを利用したトレード手法(応用編)

フィボナッチ・リトレースメントを、他のテクニカル指標と組み合わせてより精度を上げることもで きます。精度を上げるということはそれだけエントリーの条件が厳しくなり、トレードチャンスが厳選されことを認識しておいてください。それでは下記のチャートをご覧ください。
fib btc day 2
上図はビットコインの日足チャートです。フィボナッチの緑の丸印に注目してください。最初の丸印では半値戻しの位置で綺麗に止まっています。そして下段のテクニカル指標はストキャスティクスです。ここでの最初の丸印は売られ過ぎの水準まで到達しており、反発する可能性が高いと判断してロングエントリーしやすいと言えます。

一方、2つ目の緑の丸印は半値戻しの位置まで到達しているものの、ストキャスティクスでは売られ過ぎの水準までは到達していません。そのため、ロングエントリーを見送ることができます。

このようにエントリーのタイミングを他のテクニカル指標を組み合わせて判断することで、テクニカル分析の精度を高めることができます。試してみてください。

⑤トレードで重要なポイント

あらゆるトレード手法に共通して言えることですが、トレードで最も大事なポイントは「メンタルコントロール」です。トレード中のメンタルコントロールに重要なポイントを下記にまとめてあります。
トレードのポイント
2番の「自分の許容範囲を超えた取引量で行わないこと」の「許容範囲」とは、ポジションを取った後に感情に焦りが生まれたり、常に価格を見てしまう程、気になっている心理状態を指します。

「ルールを厳守すること」は5番の「損切りを徹底すること」と類似しているように見えますが、特に損切りは重要だということ、そしてルールを守るということがどれだけ難しいかを認識して頂くために区別しています。

また、4番の「希望的観測」は絶対に捨てるようにしてください。含み損が膨らみ始めると「損益が0のラインに戻るだろう」という願望と共にポジションを持ち続けてしまいがちです。結果的に損失が拡大して、1度の失敗で大金を失う可能性もあります。

上記の5点を頭に入れてトレードすることで「トータルで負けないトレーダー」になるための一歩を踏み出せることでしょう。

今回の記事でご紹介した「フィボナッチ・リトレースメント」はbitFlyer Lightningのチャートオプション「Cryptowatch」で利用できます。bitFlyerで口座開設して、実際の仮想通貨トレーディングに活かしてみてください。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 【保有資格】証券アナリスト