暗号資産投資の初心者がビットコイン投資を始める前に知っておきたい7つの注文方法とは?

証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. 暗号資産投資で知っておきたい8つの注文方法
    1−1. 成行注文
    1−2. 指値注文
    1−3. 逆指値注文(STOP注文)
    1−4. IFD(IF-DONE)注文
    1−5. OCO注文
    1−6. IFO注文
    1−7. トレイリング注文

国内の暗号資産取引所の口座開設者数も増えてきました。ユーザーレベルの向上によってメディアのレベルも高まり、国内でも暗号資産市場のニュースをチェックする環境もある程度整ってきています。

しかし、暗号資産トレードをこれから始めようと思っている方にとって、基本的なトレード方法に関する情報はそれほど充実していない状況です。ここではそのような人のために「暗号資産のトレードの注文方法」について、筆者の目線で実例を交えて解説したいと思います。

暗号資産投資で知っておきたい8つの注文方法

1. 成行注文

成行注文とは、売買時価格を設定せずに注文を行う注文方法です。これは相場が急変した時などですぐに決済したい場合や、現在の価格付近での取引に納得できるときに利用することが多いものです。成行注文は指値注文と並んで頻繁に利用する基本的な注文方法です。

bitFlyer Lightningの画面で実際の注文画面をチェックしましょう。

bitflyer lightning order 1成行注文の場合、「売り」か「買い」のどちらかをクリックすることで注文が成立します。

注文は下図の取引板から一番いいプライスから順番に約定されます。
bitflyer lightning order 2成行注文の注意点は「取引板の注文数量が少ないときに高額の成行注文を行うと、レート(最終取引価格)から大きく外れて約定してしまう場合がある」ことです。通門が多い(流動性が厚い)取引所ではこのような価格乖離を防ぎやすいため、取引量が多い取引所を選ぶ方が得策となります。

2. 指値注文

「指値注文」は購入、もしくは売却する価格を指定して注文する方法です。マーケット価格が指定した価格に到達した時点で、約定する注文方法です。

bitflyer lightning order 3

取引板では「価格優先の原則」というものがあります。これは買い注文の場合、価格が一番低い注文から約定されていき、売り注文の場合は価格が高いところからの注文が約定されていくということです。

また、「時間優先の原則」は同じ価格で注文が出ている場合は先に出した注文から約定されていくというものです。上図の場合、1,033,624円で指値の買い注文を出すと、33 BTCの後に並ぶことになります。

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上図の場合、価格を100万円に指定して、「買い」か「売り」をクリックすることで指値注文を出すことができます。

3. 逆指値注文(STOP注文)

逆指値注文は暗号資産FXのトレードをする場合は必須ともいえる注文方法です。逆指値注文は「損を確定させる注文」です。つまりこの水準を超えてきたら予想を外していると判断して「撤退する」という指示になります。

暗号資産の値動きは大きく、一日に50%動くこともあります。暗号資産FXでレバレッジかけて取引している場合、証拠金維持率への影響はレバレッジをかけている分大きくなります。

ポジションに対して反対方向に推移し続けた場合、資産を失う可能性もあります。逆指値注文はそのような状況に備えて、予め損失確定ラインを設けておくことになります。

bitFlyerの場合、逆指値注文は2種類、「逆指値注文(成行)」と「逆指値注文(指値)」があります。以下の画面は「逆指値注文(成行)」の画面です。

bitflyer lightning order 5

「逆指値注文(成行)」とはマーケットの価格が、設定したトリガー価格まで到達すると自動的に成行注文で損切りの注文が発注されます。

一方の「逆指値注文(指値)」はトリガー価格までマーケット価格が到達すると、そのタイミングで指値注文が発注されるようになります。

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上図は「トリガー価格」と「価格」の2項目に分かれています。取引価格が「トリガー価格」に触れると、記入した「価格」の指値注文が設置されます。

それでは「逆指値注文(成行)」と「逆指値注文(指値)」を、どのようなタイミングで利用するのか、実際のチャートを例に解説したいと思います。下図はBTCUSDの1時間足チャートです。

bitflyer lightning order 7暗号資産FXで、ロングポジションを保有した状況を想定しましょう。チャートは上昇トレンドの中、時間調整のような形で少し横ばいに推移しています。

そして、サポートラインを引き「ここを割れると一旦損切り」というシナリオを描いたとします。このような状況では、サポートライン下の価格の逆指値注文(成行)を設定することで、仮に相場が急落したとしても自動的に注文が執行されるようになります。

次に「逆指値注文(指値)」の利用方法を解説します。

bitflyer lightning order 8上図は、「逆指値注文(指値)」の2つのポイントを表しています。

  1. サポートラインを割れたらSTOP注文の発注
  2. .STOP注文の売指値(損切)は移動平均線を下抜けした水準

この2点に基づいて「逆指値注文(指値)」を実際に設定してみましょう。

まず、「トリガー価格」をサポートラインの位置に置きます。そして移動平均線下の「価格」を入力します。これで、トリガー価格まで取引価格が下落してきた場合に、その少し下(移動平均線下)で逆指値注文を出すことができます。相場が急変したとしても対応ができるということです。

bitFlyerの逆指値注文は「成行」と「指値」がありますが、筆者は成行を使うことの方が多く、予想したシナリオが外れた場合は早めに損切りすることを重視しています。

4. IFD(IF-DONE)注文

IFD注文は、エントリー時の指値とエントリーした場合の次の決済注文の2つを同時に発注する方法です。bitFlyer lightningの場合、IFD注文は数種類の組み合わせが可能ですが、ここでは基本的なIFD注文について解説します。

下図は「ビットコインが下落したら100万円で『買い』でエントリーし、102万円になったら利益確定したい」というIFD注文の例です。

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次に損切をする場合です。下図は「ビットコインが下落したら100万円で『買い』でエントリーし、90万円になったら損切りする」場合の注文方法になります。

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このように、IFD注文は「エントリーと利益確定」、「エントリーと損切り」というような組み合わせが可能です。それでは、どのようなときにIFD注文を利用できるのか、実際のチャートを見ていきましょう。

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上図は逆指値注文を利用しています。この時想定したシナリオは「サポートラインまで下落し、反発して9,800ドル付近までは上昇する」というもの。このシナリオに沿ってIFD注文を利用してみます。

ます、指値を9,600ドルに設定し『買い(ロングポジション)』でエントリーするようにします。そして、9,800ドルまで上昇したら利益確定の注文を設定するとしましょう。2つの注文を同時に出しておくことで、シナリオ通りの動きになれば自動的にトレードが完了出来るわけです。

このようにIFD注文は、あらかじめシナリオを整理できていれば利用しやすい注文方法です。

5. OCO注文

OCO注文は「利益確定の注文と損切りの注文を同時に発注し、どちらか一方が成立した場合はもう一方をキャンセルする」というものです。これも結構多用する注文方法なので覚えておくといいでしょう。

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上図は「100万円で1BTCのロングポジションを保有している」状況を想定しています。利益確定は110万円、損切りは99万円としています。

それでは、OCOを利用する場面について実際のチャートを見ていきましょう。

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価格は9,200ドル付近で推移していますが、ここでロングポジションを保有していると仮定しましょう。

この時、「9,000ドルを割れると一旦手仕舞い、10,000ドルで利益確定したい」と思った時に、OCO注文で利益確定と損切りの注文を同時に出しておくことが有用です。相場が動くと自動的にどちらかが決済されるようになります。

6. IFO注文

IFO注文は「IFD注文」と「OCO注文」を組み合わせたものです。指値でエントリーし、成立した場合に次の決済注文を「利益確定」と「損切り」の両方向で出しておくものです。

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上図は、

  1. 980,000円まで下落したらロングエントリー
  2. 1,000,000円で利益確定、or 960,000円で損切り
    1. という2つの注文を一度に出しています。「IFD注文」と「OCO注文」の2つを組み合わせだだけなので、ここまでの注文方法が理解できたらそこまで難しくないでしょう。

      7. トレイリング注文

      最後の注文方法は「トレイリング注文」です。トレイリング注文はSTOP(損切)注文を出しつつ、相場が想定した通りの方向に推移した場合、STOP位置を調整してくれる注文方法です。

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      上図の場合、価格がどこかのタイミングで1万円下落した場合に自動的に損切りの売り注文が発注されます。

      トレイリング注文は「利大損小」を達成するためには重要な方法です。例えば下図の上昇局面において、損切りの売り注文のトレイリング幅を10万円に設定していれば、大きな値幅が取れたことが理解できるでしょう。

      トレイリング注文の注意点は「狭い範囲の価格で設定すると、『押し目』となる下落で決済注文の条件に引っかかってしまうケースがある」ということです。

      トレイリング幅の設定はかなり難しいものです。日足チャートなのか、1時間足チャートなのか等の視点によって、トレイリング幅が大きく変化します。上級者向けの注文方法とも言えるでしょう。しかし、トレイリング注文はトレードで利益を伸ばす上で重要なので、是非理解するようにしてください。

      著者からの一言

      暗号資産トレーディングにおける注文方法はこのように多岐に渡ります。一つ一つ使用法は異なるので、まずは自分自身が想定したシナリオに沿って、必要な注文方法を選択していくようにしましょう。注文方法の使い分けは基本でもあるので、必ず覚えるようにしましょう。

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      中島 翔

      中島 翔

      学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12