ソーシャルレンディングで大事な「3つの分散投資」とは?

2017年から2018年にかけて急激に市場が成長しているソーシャルレンディング投資。その一方で、いくつかの会社には行政処分が入り、案件の返済遅延なども発生しています。

そもそも投資である以上、100%利益が出ることはあり得ませんし、「これまで貸し倒れがないから安全」と言った投資家の思い込みがあったのも確かです。今後ソーシャルレンディングに投資する時には、きちんとリスクを考えることが重要です。

そこでソーシャルレンディング投資から撤退しないですむために必要な、3つの分散投資についての考え方をお伝えします。

目次

  1. 投資するソーシャルレンディング会社を分散する
    1-1.1社のみの投資は、きわめてハイリスク
    1-2.投資する会社でリスクとリターンのバランスをとる
  2. 投資する案件の種類を分散する
  3. 2-1.不動産事業の担保価値は高いが、資金を集中させるのは危険
  4. 2-2.日本国内の案件ばかりではなく、海外案件にも投資する
  5. 3.ソーシャルレンディング以外の投資手法にも分散する
    3-1.外国株や外貨に投資する
    3-2.よりローリスクな投資対象でリスクヘッジを図る
  6. まとめ

1 投資するソーシャルレンディング会社を分散する

最初に考えるべきは、利用するソーシャルレンディング会社を分散することです。日本には現在20社以上のソーシャルレンディング会社があります。一つの会社だけを利用するのではなく、複数の会社を利用してソーシャルレンディング投資を行いましょう。

1-1 1社のみの投資は、きわめてハイリスク

一社のみに投資して何か問題があった時、投資先で一気に損失が膨らむ可能性があります。例えば行政処分を受けたラッキーバンク、そしてmaneoマーケットで募集が不可能になったグリーンインフラレンディングは問題の発生後、未だに案件の募集が再開できていません。

そして投資家への返済は遅延しています。これらの会社では現時点で貸し倒れが発生したわけではありませんが、貸し倒れが起きるリスクも少なくありません。一社のみの投資では投資対象の全てが影響を直に受けるため、損失幅が一気に拡がります。

貸し倒れが起きなかったとしても、返済遅延や長期間の資金の拘束によって投資で得られる利益が大幅に減少します。もし複数の会社に投資していれば、一社で問題が起きても他社に問題がなければ、投資している会社の数だけ被ったダメージを分散できます。

1-2 投資する会社・案件でリスクとリターンのバランスをとる

ソーシャルレンディング会社にも多種多様な案件があり、それぞれの会社によって特徴があります。クラウドクレジットのように利回り10%以上の高リターンの案件を提供する会社、SBIソーシャルレンディングオーナーズブックのように利回りは5%~7%程度ながらもしっかりとした担保を設定している会社など様々です。これらの会社を組み合わせ、リスクとリターンのバランスを取っていきましょう。

これまで行政処分を受けたみんなのクレジット、ラッキーバンクなどは、利回り10%前後のハイリスク・ハイリターン投資が中心でした。利回りが高い会社・案件は貸し倒れリスクも大きいと考えて、なぜ利回りが高く設定されているのかという点や、貸し倒れた際の担保設定や過去の事例なども確認してから投資を進めると良いでしょう。

たとえば、先ほど高利回りの案件を提供する会社の例として上げたクラウドクレジットは、海外の成長性が高い国の案件に投資するファンドが中心で、国内よりも高利回りが実現できるという背景があります。その一方で、貸し倒れが起きる可能性についてはサイト上やセミナーなどで会社としてもしっかりと情報発信をしており、確率的に貸し倒れが起きることを想定して10~30程度のファンドへの分散投資することを呼びかけています。

投資で利益の最大化を望み、そのための行動を取ることは半ば必然だと言えます。しかし、リターンとリスクは等しく存在するもの。高利回り案件に投資する場合は、それ以上の金額をローリスク案件や他の会社に投資しておくなど、リスクとリターンのバランスを意識していきましょう。

2 投資する案件の種類を分散する

投資する会社だけでなく、投資する案件の分野・事業を分散することも重要です。特定の分野にばかり投資していると、その業界の景気が悪くなった時に一気に連鎖倒産や貸し倒れのリスクを被る可能性があります。

2-1 不動産事業の担保価値は高いが、資金を集中させるのは危険

日本のソーシャルレンディング業界で比較的人気が高い投資分野と言えば不動産でしょう。不動産の取得資金を必要としている会社にソーシャルレンディング会社を経由して投資し、一方で融資を受けた不動産会社は物件を取得して転売や改装などを行って高く売ろうとします。また民泊物件などの運営を行って収益を出しています。

不動産開発事業が人気を集めている理由としては、投資対象の不動産が担保となっており、売却による資金回収の可能性が高いからです。しかし不動産事業ばかりに投資していると、不動産業界の景気が悪くなった時、融資を受けた会社が倒産する危険性があります。

また業界の景気が悪くなれば不動産価格の値下がりも考えられますので、担保でしっかりと対策を立てていても、全額を回収できないということもあります。比較的安定していると言われる不動産の案件ですが、過度の集中は避けて他の案件への分散投資も検討しましょう。

2-2 日本国内の案件ばかりではなく、海外案件にも投資する

事業の分散だけではなく、投資する国も可能であれば分散したいところです。例えば1990年前後に発生したバブル経済の崩壊以降、日本国内の景気が一気に失速しました。多くの業界がその影響を受けたと言っても過言ではない状況だったのです。

一方で他の国がバブル崩壊の影響を大きく受けたかと言うと、そうではありません。影響はゼロではありませんが、景気の低迷ぶりが顕著に見られた国は日本に限られていました。ソーシャルレンディングで投資する時には、事情を把握しやすい国内業者の案件を中心に投資したくなる人もいるでしょう。

しかし、海外の案件にも分散しておくことで、国内の景気が悪化して融資を受けた事業者の倒産や資金繰りの悪化が相次ぐような場合に備えることが可能です。現在、事業として継続的に海外案件を取り扱っている日本のソーシャルレンディング会社としては、クラウドクレジットクラウドバンクアメリカンファンディングガイアファンディングスマートレンドなどがあります。

投資対象はそれほど多くありませんが、日本以外にもアメリカやヨーロッパのような先進国、そしてハイリスク・ハイリターンと言われる発展途上国の案件への投資を検討してリスク分散を行いましょう。

ソーシャルレンディング案件のイメージ
ソーシャルレンディング会社や案件のリスクマトリクス

3 ソーシャルレンディング以外の投資手法に分散する

ソーシャルレンディング投資で撤退しないためには、ソーシャルレンディング投資以外で利益を出すことも必要です。ソーシャルレンディング投資で損失が発生しても、株式投資や不動産投資で利益が出ていれば、投資自体から撤退せずに済むでしょう。

3-1 外国株や外貨に投資する

日本のソーシャルレンディング会社を利用した投資は、どうしても日本市場に限られてしまいます。しかし日本国内の景気がどうなるかは誰にも読めないもの。可能であれば他の国にも投資したいところです。国外への投資で比較的簡単に行えるのがFXでの外国為替投資、または外国株の投資信託などが考えられます。これらの投資手法を勉強するための本やサイトなどは複数ありますし、投資対象もそこまで多くはありません。

今の日本は物価上昇の兆しが見えず、株価も限定的な値上がりとなっています。それよりも成長目覚ましい外国株に投資すれば、確実とは言えないものの値上がりが期待できます。

3-2 他のインカムゲイン投資でリスクヘッジを図る

ソーシャルレンディングの年利は平均で7.5~8%となっており、インカムゲインが得られる投資手法としては非常に利回りが高い状況です。それだけにローリスク・ローリターンな投資ではなく、現時点ではミドルリスク・ミドルリターン、案件によってはハイリスク・ハイリターンとも言える状態です。

インカムゲイン中心の投資で利益の獲得を目指すにしても、ソーシャルレンディングとは異なる投資手法も組み合わせながらリスクへの対策を講じましょう。

定期預金や国債は1%未満と非常に利回りが低いですが、元本割れはほとんど発生しません。2%から3%台のインカムゲインを狙う投資手法としては、上場企業やインフラ関係の企業の株を長期(5年~10年単位)で保有して配当金を狙うという手法や、信頼性の高い企業の社債を購入するという手法もあります。

その他にも、REITの購入や都心の一等地での不動産投資などもインカムゲイン投資としては選択肢となりうるでしょう。

ソーシャルレンディングと他の投資との比較

これらの投資と組み合わせていけば、仮にソーシャルレンディングで損失が出そうなときには他の投資の利益で、他の投資で利益が得られなかった時にはソーシャルレンディングの利益でカバーすることも可能できるようになります。互いの弱点を補うという視点で多様な投資に取り組んでいきましょう。

まとめ

ソーシャルレンディングは手間をかけずにできる投資手法だと言われています。しかし市場が急速に拡大しつつある今、急成長で生じた綻びが徐々に見えつつあります。何も考えずに利回りの高い案件に投資しているだけでは、例えば貸し倒れの発生によって一気に資産を失う可能性もあります。

ソーシャルレンディング投資では一つの案件に資金を集中させるのではなく、対象・時期・規模などを見計らいながら可能な限り分散投資を心がけ、リスクへの適切な対策を講じましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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