不動産投資市場は、すでにバブルじゃないの?

新聞やテレビなどで不動産価格が上昇しているという話をよく見るようになりました。不動産投資を検討している方にとっては、「今から不動産投資に参入しても大丈夫なのか?」という点が非常に気になっているかと思います。ここでは、その疑問にこたえるべく、バブル期やリーマンショック時と現在との比較をしていきたいと思います。

土地価格はバブル期と同水準?

現在の不動産価格を検討するにあたり、まずは国土交通省が発表している「主な都市における商業地の『最高』価格の推移」を見ていきましょう。まず、昭和61年12月から平成3年2月までの時期がバブル景気、平成20年9月にリーマンショックの時期となります。それを踏まえて下図を見てみると、ショッピングモールやオフィスなどが立ち並ぶ商業地では、すでにバブル期やリーマンショックの時期と同水準まで地価が上昇してきていることが分かります。

主な都市における商業地の「最高」価格の推移
【図1】国土交通省 主な都市における商業地の「最高」価格の推移

住宅地の価格には上昇余地がある

では、商業地の地価が高いから今がバブルのはじける寸前かというと、実はそうとも言い切れないのが難しいところで、次に見ていただきたいのが「住宅地」の価格の推移です。バブル時期では、商業地も住宅地も関係なく、土地を買えば値上がりするという幻想が先行した時期でしたので、東京の住宅地で平米単価140万円という数字が出ていました。50平米(16坪程度)の土地の取得に7,000万円がかかる計算ですので、自宅を立てれば簡単に1億円を超えてしまうということになります。バブル期のほうが今より物価が10%以上安かったことを考えると恐ろしい話ですね。一方、リーマンショック時には、東京の住宅地の土地価格は最高で57.9万円まで上昇しましたが、現在は52.4万円とまだ上昇余地が大きく残っている水準です。

主な都市における住宅地の「平均」価格の推移
【図2】国土交通省 主な都市における住宅地の「平均」価格の推移

東京都の土地価格の上昇には、実需の裏付けがある

リーマンショック以降から東京の人口は5%以上増加しており、経済規模は世界の主要都市の中でもトップ、東京都単体のGDPを国ごとのGDPランキングと比較しても世界11位となっており、年を経るごとに世界における東京の存在感は増していることが分かります。人口が増え、経済活動も活発ということになれば住みたい人も増えるため、土地の価格が上昇するのも自然な流れとなります。このように、現在の土地価格上昇は実需に支えられたものと考えられ、今後はリーマンショック以前よりも高い土地価格に向かって上昇していくことが予想されます。

東京都の総人口の推移
【図3】東京都 東京都の総人口(推計)の推移(昭和31年~平成28年)-各年1月1日現在-

バブル期やリーマンショック時と異なる4つのポイント

他にも、バブル期やリーマンショックの状況と異なる点をまとめていきます。以下の3点を詳しく見ていきましょう。

  1. 現在はインカムゲインが不動産投資の評価基準に
  2. 震災復興や東京再開発などで建築需要が増加
  3. 高齢者増加や相続税改正に伴う相続対策需要の増加
  4. 海外不動産の高騰と東京の価値の見直し

1. 現在はインカムゲインが不動産投資の評価基準に

バブル時代は、実需ではなく値上がりを期待してキャピタルゲイン(売却益)を狙う売買が中心でしたが、現在は都心など実需が見込めるエリアを中心としたインカムゲイン(家賃収入)を狙った投資が主流となっています。そのため、物件価格の決め方も家賃収入と利回りをベースにした「収益還元法」という算出方法にシフトしてきており、毎月の家賃収入に比べて物件価格が高すぎるということが簡単に判断できる様になってきています。なお、2017年時点の利回りの目安としては、都内の新築マンションで表面利回り4%前後、中古マンションで表面利回り5%~6%程度となっています。また、新築アパートの表面利回りは5%~6%程度、中古アパートの表面利回りは7%~10%程度となっています。

収益還元法による収益価格

2. 震災復興や東京再開発などで建築需要が増加

また、最近の不動産価格の上昇は、建築価格の上昇にも起因しています。2011年の大震災から建築会社の仕事が増え続けており、2020年のオリンピックはもちろん、2040年までは東京再開発の建築特需が続きます。建築需要が多いために物件価格も高くなってきているという背景があり、こちらも実需の裏付けがある価格上昇要因となります。

たとえば、一般社団法人住宅生産団体連合会が毎年発表している『2015年度戸建注文住宅の顧客実態調査』を見てみると、2012年から2014年にかけて平均建築費単価が毎年5%前後上昇していることがわかります。3年前に比べると建築費は10%も上昇していることになりますので、マンションやアパートなどの物件価格にも反映されてくるということになります。2015年も建築価格は下がらず、今後もオリンピックや東京の公共事業需要などを控えて建築費用は高止まりとなることが予想されます。

2015年度 戸建注文住宅の顧客実態調査 図表 1-3 平均建築費単価の推移
【図4】2015年度 戸建注文住宅の顧客実態調査 図表 1-3 平均建築費単価の推移

3. 高齢者増加や相続税改正に伴う相続対策需要の増加

近年、高齢者数の急激な増加や平成27年からの相続税改正に伴って、相続税対策の需要も高まってきています。平成27年中に亡くなられた方は約129万人でしたが、このうち相続税の課税対象者は約103,000人(平成26年約56,000人)で、課税割合は8.0%(平成26年4.4%)となっており、前年度に比べて倍近い人数が課税対象となりました。

国税庁 相続税の申告状況について_(付表2) 課税割合の推移
【図5】国税庁 相続税の申告状況について (付表2) 課税割合の推移

また、平成27年の課税対象の相続財産総額は14.6兆円、うち現金・預貯金が4.8兆円、有価証券が2.3兆円、相続財産に対する課税総額は1.8兆円となっています。亡くなった方1人あたりの課税額は1,748万円となっており、今回の相続税改正と課税結果を受けて、今後は相当な金額の相続税対策に向けて不動産投資などに動き出すものと考えられます。

特に、相続税対策にも活用しやすい都心のタワーマンションなどは人気が高く、表面利回りが3%台になるまで物件価格が上がってきており、この需要は引き続き高い水準で維持されると考えられます。

4. 海外不動産の高騰と東京の価値の見直し

一時期、爆買いという言葉が流行りましたが、海外投資家や海外富裕層の日本買いも以前より増えてきています。香港や台湾など海外の都市では不動産の利回りが1.5%〜2.5%の低水準のため、日本の不動産利回りが4.0%〜5.0%という状況は魅力的に映ると言われています。また、中国や東南アジアの人々は、投資対象として以外にも、セカンドハウスやリゾート目的で日本の物件を物色する傾向があると言われており、こちらも今後の伸びが期待できる需要です。

一方、マクロ経済の動向としては、リーマンショックなどの金融危機や世界情勢に対する不安が高まると、リスク回避で安全資産の円が買われて円高になりますが、2013年以降は安定的な期間が続いているため円安が進んでいます。ドルだけでなく、元などの通貨でも円安となっており、2012年の水準からは日本の不動産は3割から4割近く価格が安くなっている計算です。たとえば、2012年当時に3000万円の中古マンションがあったとして、それが今では同じ条件の物件を2000万円で買うことができるということで、日本の不動産のお買い得感が増しているのです。

ドル円の推移


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